【在留資格】退職して転職先が決まっていないが、「所属機関(契約機関)に関する届出」をしなければなりませんか?【届出】
2025/02/09
日本で働く外国人の皆さまや、外国人雇用をサポートする企業の担当者さまにとって、避けて通れない手続きの一つが「所属機関に関する届出」です。
転職先が決まってから出せばいいと考えていませんか。実は、会社を辞めただけでも届出が必要なケースがあるのです。
この記事では、行政書士の視点から、入管法に基づく届出の義務や期限、具体的な手続き方法について、初心者の方にも分かりやすく解説します。
所属機関に関する届出とは何か
日本に在留する中長期在留者(「技術・人文知識・国際業務」や「特定技能」などの在留資格を持つ方)は、自身の活動の基盤となっている機関(会社や学校など)に変更があった場合、出入国在留管理局へ報告する義務があります。
これを「所属機関に関する届出」と呼びます。
多くの外国籍社員の方が、新しい会社に入社した際の手続きは意識されていますが、前の会社を退職した際の手続きを失念しがちです。入管法では、この「契約の終了」についても厳格に規定されています。
届出が必要なケースと対象となる在留資格
どのような場合に届出が必要なのか、法律の定めに沿って具体的に見ていきましょう。
1. 契約の終了と新たな契約の締結
以下の在留資格をお持ちの方は、勤務先との契約が終了したとき、および新しい勤務先と契約を結んだときの両方で届出が必要です。
・技術・人文知識・国際業務
・特定技能
・介護
・技能
・研究
・興行(機関との契約に基づく場合)
・高度専門職(1号イ、1号ロ、2号の一部)
例えば、転職活動のために先に会社を退職した場合、その退職日から14日以内に「契約の終了」を届け出なければなりません。その後、新しい仕事が見つかったら、再び14日以内に「新たな契約の締結」を届け出ることになります。
2. 機関の名称・所在地変更や消滅
以下の在留資格の方は、勤務先や通学先の名称が変わった場合や、所在地が移転した場合、あるいは機関自体がなくなってしまった場合に届出が必要です。
・教授
・経営
・管理
・法律・会計業務
・医療
・教育
・企業内転勤
・技能実習
・留学
・研修
・高度専門職(1号ハ、2号の一部)
これらの方は、所属している組織との「離脱」や「移籍」があった際にも届出が求められます。
届出の期限と提出方法
届出には厳格な期限が設けられています。
14日以内の原則
入管法第19条の16に基づき、事由が生じた日から「14日以内」に届け出なければなりません。
ここでいう「事由が生じた日」とは、退職日や入社日、あるいは登記上の名称変更日などを指します。うっかり忘れていたという理由は通用しませんので、カレンダーにメモしておくなどの対策が必要です。
提出の3つのルート
現在、届出は以下の3つの方法で行うことができます。
・インターネット(出入国在留管理庁電子届出システム)
・郵送(東京入国管理局再入国郵送受付センター宛)
・窓口(最寄りの地方出入国在留管理局)
24時間いつでも手続きができ、即時に完了するインターネットからの届出が最も推奨されます。
届出を怠った場合のリスク
届出を忘れてしまうと、将来の在留手続きに大きな悪影響を及ぼす可能性があります。
次回の更新や変更審査で不利になる
在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請の際、過去の届出義務を果たしているかは厳しくチェックされます。届出を怠っていると「素行が善良であること」という要件に疑義を持たれ、不許可になったり、在留期間が短縮(例:3年が1年に短縮)されたりする恐れがあります。
永住申請への影響
将来的に永住権を取得したいと考えている方は、特に注意が必要です。永住審査では、入管法上の義務を適正に履行しているかが重要視されます。一度の届出漏れが原因で、永住申請が不許可になるケースも少なくありません。
罰則の適用
法律上は、届出を怠ったり虚偽の届出をしたりした場合、20万円以下の罰金に処せられることがあります。また、虚偽の届出については在留資格の取消対象にもなり得ます。
転職先が決まっていない場合の注意点
「仕事を探している最中だから、次の会社が決まってからまとめて出せばいい」という考えは非常に危険です。
入管法第19条の16第2号では、明確に「契約の終了」を事由として挙げています。入管庁が用意している様式にも「終了のみ」の届出パターンが存在します。
まずは「前の会社を辞めたこと」を14日以内に報告し、その後に「新しい会社に入ったこと」を改めて報告するのが正しいルールです。
所属機関に関するQ&A
よくある質問をまとめました。
Q. 退職してすぐに日本を離れる場合でも届出は必要ですか。
A. はい、必要です。一時帰国中であっても、在留資格を維持したまま日本に再入国する予定がある場合は、退職から14日以内に届け出る義務があります。
Q. 会社名が変わっただけで、自分が働く場所は変わっていません。この場合も届出は必要ですか。
A. はい、必要です。所属機関の名称変更は、届出が必要な事由に含まれています。
Q. 届出を忘れて1ヶ月経ってしまいました。今からでも出すべきでしょうか。
A. 期限を過ぎてしまっていても、速やかに提出してください。放置し続けるのが最もリスクが高いです。遅れた理由を簡潔に添えて、正直に報告することが大切です。
Q. 会社側が届出をしてくれると言っていますが、本人もしなければなりませんか。
A. 会社側が行う「受入れ機関による届出」と、本人が行う「中長期在留者による届出」は別物です。会社が手続きをしてくれたとしても、本人の義務が免除されるわけではありません。必ずご自身でも手続きを行ってください。
Q. アルバイト先の変更でも届出が必要ですか。
A. 「留学」や「家族滞在」の方が資格外活動許可を得て行っているアルバイトについては、この届出の対象外です。あくまでメインの在留資格(就労資格など)に基づく所属機関の変更が対象となります。
まとめ:正しく届け出て安心な在留生活を
「所属機関に関する届出」は、手続き自体はシンプルですが、その影響力は非常に大きいものです。
転職や退職は人生の大きな転機であり、忙しい時期だとは思いますが、日本で安心して働き続けるためには欠かせないステップです。
もし、ご自身の状況が届出の対象になるのか不安な場合や、過去に届出を忘れてしまって今後のビザ更新が心配な場合は、専門家である行政書士へ相談することをお勧めします。
当事務所では、外国人の皆さまの在留資格サポートを行っております。
今回の内容について、より詳細なアドバイスが必要な場合や、具体的な手続きの代行を希望される場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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※本ページは行政書士ダイセイ法務事務所のスタッフによる「ブログ」を掲載しております。日々の思いから専門知識、業界用語、内部事情など「中の人」しか知らないここだけの情報を「簡潔に」発信しております。ぜひご参考にしてください。
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