【法令改正】在留資格「経営・管理」の要件が大幅改正へ!3000万円への引き上げと厳格化の全容【経営者ビザ】
2025/10/17
日本での起業や経営を目指す外国人の方々にとって、非常に重要なニュースが飛び込んできました。これまで維持されてきた在留資格「経営・管理」の許可基準が、2025年(令和7年)10月16日より大幅に改正・施行されることとなりました。
今回の改正は、単なるマイナーチェンジではありません。資本金要件が500万円から3000万円へと大幅に引き上げられるほか、雇用義務や日本語能力、さらには経営者の学歴・職歴に至るまで、これまでの常識を覆すほどの「厳格化」が図られています。
本記事では、入管庁から公表された最新資料に基づき、改正のポイントを詳しく解説します。これから日本での起業を検討している方はもちろん、既に「経営・管理」の在留資格で活動中の方も、更新時の注意点を含めて必ずチェックしてください。
1. なぜ「経営・管理」の要件が厳しくなるのか
これまでの「経営・管理」ビザは、学歴や職歴が必ずしも問われないことから、比較的使い勝手のよい在留資格として活用されてきました。しかし、実態のないペーパーカンパニーの設立や、経営活動を伴わない不適切な在留を防ぐため、入管庁はより「事業の継続性と安定性」を重視する方向に舵を切りました。
今回の改正は、省令の変更によって行われます。法律そのものの改正に比べてスピーディーに施行されるため、情報のキャッチアップが遅れると、申請準備が間に合わなくなる恐れがあります。
2. 【2025年10月改正】主な5つの変更ポイント
改正後の許可基準は、大きく分けて以下の5つの項目で厳格化されます。
① 資本金・出資総額の引き上げ(500万円から3000万円へ)
最も大きな変更点は、事業規模に関する要件です。これまでは「500万円以上の出資」がひとつの目安でしたが、改正後は3000万円以上の資本金等が必要になります。
法人として事業を行う場合は、株式会社の払込済資本金や、合同会社の出資総額が対象となります。個人事業主としてスタートする場合は、事業所の確保、雇用する職員の1年分の給与、設備投資経費など、事業を営むために投下されている総額で判断されます。
② 常勤職員の雇用義務化
これまでは「資本金500万円以上」であれば、職員を雇用しなくても基準を満たすことが可能でした。しかし、改正後は「1人以上の常勤職員」を雇用することが必須となります。
注意が必要なのは、この「常勤職員」の対象範囲です。
・日本人
・特別永住者
・永住者
・日本人の配偶者等
・永住者の配偶者等
・定住者
これらの在留資格を持つ方に限られます。技術・人文知識・国際業務などの、いわゆる就労ビザで在留する外国人は、この「1人以上の雇用」のカウントには含まれません。
③ 経営者自身の経歴(学歴・職歴)要件の新設
これまで「経営・管理」ビザでは、経営者本人に高い学歴や長い職歴がなくても、十分な資本金と事業計画があれば許可されるケースがありました。改正後は、以下のいずれかを満たす必要があります。
・経営・管理に関する修士・博士、または専門職の学位(外国の同等学位を含む)の取得
・事業の経営または管理について3年以上の職歴(起業準備活動期間を含む)
これにより、経営者としての資質がより厳格に審査されることになります。
④ 日本語能力の証明
コミュニケーション能力も審査対象に加わります。申請者本人、または雇用する常勤職員のいずれかが、日本語教育の参照枠における「B2相当以上」の日本語能力を有していることが必要です。
具体的には、以下のいずれかに該当することが求められます。
・日本語能力試験(JLPT)N2以上の合格
・BJTビジネス日本語能力テストで400点以上の取得
・日本の中長期在留者として20年以上の在留実績
・日本の大学等の高等教育機関の卒業、または日本の高校卒業(義務教育修了を含む)
⑤ 事業計画書に対する専門家の確認義務
新規で事業を開始する場合、提出する事業計画書について「経営に関する専門的な知識を有する者」による確認が義務付けられます。具体的には、以下の士業が想定されています。
・中小企業診断士
・公認会計士
・税理士
その計画が具体的かつ合理的であり、実現可能であることをプロの目で評価してもらう必要があります。
3. 実務運用における「実態審査」の強化
基準の数値が変わるだけでなく、運用の面でも厳しいチェックが行われるようになります。
自宅兼事業所の原則禁止
改正後の規模に応じた経営活動を行うためには、それに見合った事業所が必要です。そのため、自宅を事業所と兼ねることは原則として認められなくなります。明確に区分された独立したオフィススペースの確保が求められます。
出国期間のチェック
在留期間中に正当な理由なく長期間日本を離れていた場合、本邦での活動実態がないとみなされます。この場合、在留期間の更新が不許可となるリスクが高まります。
公租公課の履行(税金・社会保険)
更新時には、労働保険(雇用保険・労災保険)、社会保険(健康保険・厚生年金)、そして国税・地方税の納付状況が厳しく確認されます。法人税だけでなく、源泉所得税や消費税、個人事業主の場合は住民税や所得税の未納がないことが絶対条件となります。
4. すでに「経営・管理」で在留している方への影響
現在、既に「経営・管理」ビザを持っている方や、施行日前に申請を済ませている方には猶予期間が設けられています。
施行日前に受け付けられた申請
2025年10月15日までに受け付けられた申請については、改正前の基準(資本金500万円など)が適用されます。
施行後3年間の経過措置
既に在留中の方が、施行日から3年以内(2028年10月16日まで)に更新申請を行う場合は、直ちに改正後の基準を満たしていなくても、経営状況や将来の見込みなどを踏まえて総合的に判断されます。
しかし、施行から3年を経過した後の更新(2028年10月16日以降の申請)では、原則として改正後の新基準(資本金3000万円、1名以上の雇用など)に適合している必要があります。
5. Q&A:よくある質問と回答
ここでは、今回の改正に関して多く寄せられる質問をまとめました。
Q1. 資本金3000万円を準備できないと、もうビザは取れませんか
A1. 改正後は、3000万円以上の規模が必須条件となります。ただし、個人事業主の場合は設備投資や1年分の人件費など、実際に事業に投下した総額で判断されますので、キャッシュで3000万円を常に保持していなければならないという意味ではありません。それでもハードルが非常に高くなることは間違いありません。
Q2. 雇用する1名の常勤職員に、家族をあてることはできますか
A2. その家族が「日本人の配偶者等」や「永住者」などの身分系在留資格を持っており、かつ実際に「常勤」として実態のある業務を行うのであれば、対象に含まれる可能性があります。ただし、名前だけの雇用は厳禁です。
Q3. 日本語能力試験N2を持っていない経営者は、必ず不許可になりますか
A3. 経営者本人が持っていなくても、雇用する「常勤職員」がB2相当(N2以上など)の日本語能力を有していれば、基準を満たすことができます。
Q4. 専門家の確認を受けた事業計画書は、行政書士が作成してもよいですか
A4. 書類作成自体は行政書士の業務ですが、改正省令が求める「経営に関する専門的な知識を有する者の確認」は、中小企業診断士、公認会計士、税理士のいずれかによる評価が必要です。当事務所では、これらの専門家と連携したサポート体制を整えております。
6. まとめ:早めの準備と専門家への相談を
今回の「経営・管理」ビザの改正は、日本での起業環境を大きく変えるものです。特に資本金要件の引き上げは、これから準備を始める方にとって大きな壁となるでしょう。
2025年10月の施行日までに申請を受理させることができれば、旧基準での審査が受けられます。取得を検討されている方は、一刻も早いアクションをお勧めします。
また、既に在留中の方も、3年後の完全移行に向けて、事業規模の拡大や雇用計画の策定を今から戦略的に進めていかなければなりません。
当事務所では、法改正に伴う最新情報を提供するとともに、複雑な事業計画の策定や専門家との連携をワンストップでサポートしております。ご自身のケースでどのように対応すべきか不安な方は、ぜひ一度無料相談をご活用ください。
お客様の日本でのビジネスが成功するよう、全力でバックアップいたします。
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