【移民】外国人政策と日本の未来|約350万人の在留外国人と「移民」議論の真実を専門家が解説【インバウンド】
2026/01/11
近年、ニュースやSNSで外国人政策に関する注目が集まっています。 日本国内で生活する外国人が増えたと感じる一方で、具体的にどのようなルールで彼らが日本に滞在し、どのような区分で管理されているのか、正確に把握している方は意外と少ないのではないでしょうか。
行政書士事務所として日々、外国人の在留資格に関わってきた経験から、現在の外国人政策を読み解くための一つの指標をお示ししたいと思います。 特に、量的規制などが検討されている昨今、政策の是非を議論する前提となる正確な数値を抑えることは非常に重要です。
1. 日本における「移民」と「外国人」の定義の違い
まず、言葉の定義から整理しましょう。 「移民」という用語は、日本の行政上は使われていません。 入管法上は一貫して「外国人」という用語が用いられています。
一方で、国際機関の定義では、1年以上住むことを「移民」とされているようです。 この定義に当てはめると、日本で中長期的に生活している外国人の多くは、国際的な視点では移民に該当することになります。
しかし、日本政府が公式に移民という言葉を避ける背景には、慎重な検討事項があるためと考えられます。 実務に関わる者としては、まずは「中長期在留者」と、それ以外の短期滞在者というおおまかな分類を意識することが、制度を正しく理解する第一歩であると考えています。
2. 約3000万人と約350万人。数字から見る実態
外国人政策を語る上で、最も重要かつ見落とされがちなのが、日本にいる外国人の数とその内訳です。 訪日外国人全体では、年間で約3000万人ほどという報道があると思います。 しかし、この数字をそのまま日本に住んでいる外国人の数と混同してはいけません。
実態を把握するためには、外国人を大きく以下の二つのカテゴリーに分けて考える必要があります。
・中長期在留者(日本に生活基盤を置く人々)
・それ以外の短期滞在者(旅行者など)
圧倒的多数を占めるのは旅行者
年間約3000万人という巨大な数字の正体は、その多くを占める短期滞在者です。 彼らは観光などの目的で来日し、数日から長くても3か月程度の間に本国へ帰国しています。 私たちが都心部の街で見かける外国人の多くは、この短期滞在の旅行者です。 彼らは一時的に日本にいる人たちであり、日本の社会構造に長期的な影響を与える存在ではありません。
ただし、この約3000万人の動向は、日本のインバウンド政策や観光産業、ひいては地域経済の活性化には極めて大きな影響を及ぼします。 経済効果という側面では、この短期滞在者の存在を無視することはできません。
考えるべきは約350万人の中長期在留者
一方で、外国人政策、あるいは量的規制の議論において真に考えるべき数値は、約350万人の中長期在留者です。 この約350万人は、就労その他の「生活者」と考えればよいでしょう。
この約350万人がどのような在留資格を持ち、どのような仕事に従事しているのか。 そして、その数が今後どのように推移していくのかを議論することこそが、本来の外国人政策の核心といえます。
3. 中長期在留者が抱える現状と都市部への集中
中長期在留者である約350万人の居住実態を見てみると、明確な傾向が見て取れます。 約350万人の多くは、東京、大阪、愛知など都市部に集中している傾向にあります。
これは、仕事の機会やコミュニティの形成しやすさが都市部に集中しているためです。 この集中傾向は、都市部における多文化共生の課題を生む一方で、地方の人手不足を解消しきれていないという歪みも生み出しています。 政府が検討している量的規制などの議論も、単に総数を制限するのか、あるいは地域的なバランスを考慮するのかといった、繊細な舵取りが求められています。
4. なぜ今、量的規制が検討されているのか
現在、外国人政策において量的規制などが検討されているようです。 その背景には、急激な外国人増加に伴う社会インフラの整備不足や、国民の不安感への配慮があります。 しかし、私たちは以下の視点を忘れてはなりません。
・労働力不足の深刻化 少子高齢化が進む日本において、多くの産業はすでに中長期在留者の力なしでは立ち行かない状況にあります。
・社会保障の担い手 現役世代の減少を補う存在として、日本に定住し納税する外国人の役割は年々増大しています。
・国際的な人材獲得競争 高度な技術を持つ人材は世界中で奪い合いの状態です。厳しすぎる規制は、優秀な人材が日本を敬遠する原因にもなりかねません。
単に数を抑えるという議論ではなく、どのような人材を受け入れるのが日本にとって最適かという、質を伴った議論が不可欠です。
5. 行政書士が果たすべき役割
私たちは、外国人の方が日本で適法に在留するための手続きをサポートする専門家です。 日々、個別の申請ケースに向き合う中で感じるのは、在留資格という制度がいかに複雑で、個人の人生に直結しているかということです。
外国人政策が注目を集めている今、私たちは単なる代行業者ではなく、正しい情報の発信者でありたいと考えています。 制度が変われば、それに対応する知識が必要です。 不確かな情報に惑わされることなく、正確な数値と法的な根拠に基づいた判断ができるよう、私たちはクライアントの皆様を支え続けます。
もし、貴社において外国人の採用を検討されている場合や、在留資格の更新・変更でお悩みの場合は、ぜひ一度ご相談ください。 現在の政策動向を踏まえた、適切なアドバイスを提供いたします。
6. 外国人政策に関するQ&A
ここからは、皆様からよく寄せられる質問について、今回のテーマを軸に解説します。
Q. 最近、街で外国人を見かけることが非常に増えましたが、やはり日本に住む人が増えているのでしょうか。
A. 街で見かける方の多くは、年間約3000万人来日する短期滞在の旅行者でしょう。 日本に住む中長期在留者は約350万人ですが、それ以外の約3000万人は旅行者等です。 まずはこの区別を意識することが大切です。
Q. 政府は移民という言葉を使わないのはなぜですか。
A. 日本の行政上は「外国人」という用語を使っています。 国際的な定義では1年以上住む人を移民と呼びますが、日本国内の議論においては、法的な枠組みである入管法に基づいた呼称が一般的であるためと考えられます。
Q. 量的規制が導入されると、具体的に何が変わりますか。
A. 量的規制などは現在検討されている段階ですが、重要となるのは前提となる数値を抑えることです。 受け入れ人数に枠が設定される可能性があり、そうなれば在留資格の取得が今より厳しくなることも予想されます。
Q. 外国人の方はなぜ特定の地域に集まる傾向があるのですか。
A. 約350万人の多くは、東京、大阪、愛知などの都市部に集中しています。 これは仕事の機会が多いことや、すでにコミュニティが形成されていることが大きな要因と考えられます。
Q. 中長期在留者と短期滞在者の違いを、もっと簡単に教えてください。
A. 中長期在留者は日本で暮らす生活者であり、それ以外は数日から3か月程度で帰国する旅行者等です。 外国人政策を考える上では、この生活者としての約350万人という数字を基準にする必要があります。 一方で、旅行者等の動向はインバウンド政策を考える上で重要な指標となります。
まとめ
外国人政策を理解するための第一歩は、約3000万人の訪日客という数字に惑わされず、約350万人の中長期在留者(生活者)の実態に目を向けることです。 彼らは日本の都市部を中心に、社会を支える一員として活動しています。
もちろん、約3000万人の短期滞在者の存在はインバウンド経済の要ですが、国家の形を作る「政策」の議論においては、生活者としての数値を正しく抑えておくことが、正しい判断を下すための土台となります。
当事務所では、外国人雇用に関するコンサルティングや、複雑なビザ申請のサポートを行っております。 変化の激しい時代だからこそ、確かな知識で皆様のビジネスや生活を支えます。
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