【相続】兄弟が亡くなった際の相続分はどうなる。いわゆる半血兄弟の2分の1規定を専門家が徹底解説【遺言】

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【相続】兄弟が亡くなった際の相続分はどうなる。いわゆる半血兄弟の2分の1規定を専門家が徹底解説【遺言】

【相続】兄弟が亡くなった際の相続分はどうなる。いわゆる半血兄弟の2分の1規定を専門家が徹底解説【遺言】

2026/01/13

家族の形が多様化する現代において、相続手続きの中で初めて「自分には異母兄弟(または異父兄弟)がいた」と知るケースは少なくありません。

特に、亡くなった方に子供や両親がおらず、兄弟姉妹が相続人となる場合には、法律上の特殊な計算ルールが適用されます。それが、いわゆる半血兄弟(はんけつきょうだい)の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の2分の1とする、という規定です。

しかし、このルールには多くの誤解がつきまといます。最も多い誤解は「親が亡くなった時、後妻の子は先妻の子の半分しかもらえないのか」というものですが、これは明確な間違いです。

今回のブログでは、行政書士の視点から、このルールがどのような場合に適用され、どのような場合には適用されないのか、その境界線を明確に解説します。


1. 最重要。このルールが適用されるのは兄弟間の相続だけ

まず、この記事で最もお伝えしたい結論から申し上げます。いわゆる「半血兄弟の相続分が2分の1になる」というルールは、兄弟姉妹が相続人になるケース、つまり「兄弟が亡くなって、その兄弟の遺産を分けるとき」だけの話です。

・ 親の遺産を子供たちが分ける親子間の相続には適用されません

・ 親が亡くなった場合、先妻の子も後妻の子も、相続分は完全に平等です

ここを混同してしまうと、家族間での不要なトラブルや感情的な対立を招くことになります。

なぜ兄弟間の相続でのみ差がつくのか

被相続人に直系卑属(子や孫など)も直系尊属(両親など)もいない場合、兄弟姉妹が相続人となります。この際、相続分は均等割になるのが原則です。

しかし、民法第900条第4号但書には例外が定められており、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とされています。これは現行法として今も適用されています。

兄弟が相続人になるのは、亡くなった方に子も親もいないという状況です。この場合、より血縁の濃い者(両親ともに同じ者)を優先するという立法趣旨に基づいています。


2. いわゆる全血兄弟といわゆる半血兄弟の定義

ここで、実務上の解説でよく使われる全血と半血という言葉の意味を整理しておきましょう。これらは通俗的な呼び方であり、民法の条文上では別の表現が使われています。

いわゆる全血兄弟姉妹とは

一般的に、父母の両方を同じくする兄弟姉妹のことを指します。同じ父と母の間に生まれた兄弟同士の関係です。

いわゆる半血兄弟姉妹とは

父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹と定義されており、いわゆる異母兄弟や異父兄弟のことです。具体的には以下のケースが該当します。

・ 父が同じで母が異なる兄弟(異母兄弟)

・ 母が同じで父が異なる兄弟(異父兄弟)

例えば、父が前妻との間に子供をもうけており、その後、再婚した現在の妻との間にも子供が生まれた場合、前妻の子と現在の妻の子は、父という一方の親のみを同じくするため、お互いにいわゆる半血兄弟の関係になります。


3. 相続分が2分の1になる具体的なケースと計算例

では、実際にどのような状況で、どのように計算が行われるのかを具体的に見ていきましょう。このルールが発動するのは、以下の条件をすべて満たした場合です。

・ 被相続人(亡くなった人)に子供(または孫などの直系卑属)がいない

・ 被相続人の両親(または祖父母などの直系尊属)が既に亡くなっている

・ 被相続人の兄弟姉妹が法定相続人となっている

この条件を満たしたとき、いわゆる半血兄弟にも2分の1ではあるものの相続分が生じます。

計算のシミュレーション

例:独身で子供がおらず、両親も既に他界しているAさんが亡くなりました。遺産が900万円あるとします。 相続人は、同じ両親から生まれた兄B(いわゆる全血)と、父が前妻との間にもうけた弟C(いわゆる半血)の2名です。

・ 全血の兄B:600万円(計算上の比率は2)

・ 半血の弟C:300万円(計算上の比率は1)

このように、全血兄弟を1とした場合、半血兄弟は0.5の割合で計算し、全体を按分します。全体を3分割し、そのうち2つを全血、1つを半血が受け取る形になります。


4. 養子縁組がある場合の複雑な関係

養子縁組をしている場合、民法727条により血族間におけるのと同一の親族関係を生じるとされており、法定血族として扱われます。

兄弟が相続人となる場面で、その兄弟が全血か半血かを判断するには、養親が両方とも養子縁組をしているかどうかがポイントになります。

・ 夫婦(養父と養母)の両方が養子縁組をしている場合:実子との関係はいわゆる全血兄弟と同じ扱いになります

・ 養親のうち一方のみが養子縁組をしている場合:いわゆる半血兄弟の扱いになります

このように、養子縁組の形態や離縁の有無によって相続分が変わる可能性があるため、戸籍謄本を遡って慎重に確認する必要があります。


5. 制度の歴史と非嫡出子に関する判例

ここで、多くの人が相続分は平等になったはずだと誤解する原因となっている非嫡出子(ひちゃくしゅつし)の話題について触れておきます。

以前の民法(旧900条4号但書前段)では、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1と定められていました。しかし、この規定は憲法14条1項に反するとされ、平成25年9月4日の最高裁判所大法廷決定によって違憲判決が出されました。

これを受けて民法が改正され、現在は以下のようになっています。

・ 非嫡出子の相続分を2分の1とする規定は削除されました

・ 親子間の相続(親が亡くなり子が相続するケース)において、相続分は完全に同等になりました

多くの人がニュースなどで耳にした相続分が平等になったという話題は、この親子間の相続に関するものです。これに対し、今回解説しているいわゆる半血兄弟の相続分を2分の1とするという規定は、現在も有効な現行法として存在しています。

親子間の相続(嫡出子・非嫡出子)と、兄弟間の相続(全血・半血)は、全く別のルールであることを正しく理解しておく必要があります。


6. 相続手続きを円滑に進めるためのポイント

兄弟姉妹が相続人となるケースは、他の相続パターンに比べて手続きが難航しやすい傾向にあります。

戸籍収集の重要性

兄弟姉妹が相続人になる場合、被相続人の出生から死亡までの戸籍だけでなく、その両親の出生から死亡までの戸籍もすべて集める必要があります。これにより、面識のない異母兄弟や異父兄弟がいないかを確認します。

・ 古い戸籍(除籍謄本や改製原戸籍)の読み解きが必要

・ 全国各地の役所に請求しなければならないケースが多い

・ 異母兄弟等の存在が判明した場合、その住所地を確認しなければならない

遺言書の活用

もし疎遠な異母兄弟には財産を分けたくない、あるいは兄弟全員に平等に分けたいといった希望があるなら、生前に遺言書を作成しておくことが最も有効な解決策です。兄弟姉妹には遺留分がないため、遺言の内容が法的に非常に強力な効力を持ちます。


相続に関するQ&A

Q. 父が亡くなりました。父には前妻との間に子供が1人、母(後妻)との間に私がいます。私の相続分は前妻の子の2倍になりますか。

A. いいえ、なりません。今回は親(父)から子への相続ですので、あなたも前妻のお子さんも、相続分は全く同じです。いわゆる半血兄弟が2分の1になるというルールは、兄弟が亡くなって、その兄弟の遺産を分けるときにしか適用されません。

Q. 亡くなった兄に、会ったこともない異父兄弟がいることが分かりました。その人にも相続分はありますか。

A. はい、あります。父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹(いわゆる半血兄弟)であっても、法定相続人としての権利が生じます。相続分は全血兄弟の2分の1となりますが、遺産分割協議には必ず参加してもらう必要があります。

Q. 養子として家に入った私と、その家の実子の関係はどうなりますか。

A. 養親である夫婦の両方と養子縁組をしていれば、実子と同じ父母の双方を同じくする関係になり、いわゆる全血兄弟と同じ相続分になります。どちらか一方の親のみと縁組をしている場合は、いわゆる半血兄弟に該当します。

Q. いわゆる半血兄弟の相続分を、遺言で全血の兄弟と同じにすることはできますか。

A. はい、可能です。法定相続分はあくまで遺言がない場合の目安です。被相続人が遺言によって兄弟全員に平等に分けたいと指定すれば、その意思が最優先されます。


兄弟姉妹が相続人となる手続きは、相続人の確定から遺産分割の割合まで、非常にデリケートな問題を含んでいます。特にお身内にいわゆる半血兄弟がいらっしゃる場合は、計算間違いや説明不足から親族間の不信感に繋がることも少なくありません。

当事務所では、複雑な家系図の作成や相続人の調査、そして円満な遺産分割のためのアドバイスを行っております。

自分のケースでは誰がどのくらい相続するのか、異母兄弟への連絡はどうすればいいのかなど、少しでも不安に思われることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。専門知識に基づき、あなたの家族の形に寄り添った解決策をご提案いたします。

次の一歩として、まずは現在の家族関係を正確に把握するために、被相続人の戸籍謄本の取得から始めてみてはいかがでしょうか。

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※本ページは行政書士ダイセイ法務事務所のスタッフによる「ブログ」を掲載しております。日々の思いから専門知識、業界用語、内部事情など「中の人」しか知らないここだけの情報を「簡潔に」発信しております。ぜひご参考にしてください。

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