【基本】法定相続分を徹底解説。誰がいくら受け取れる?遺言書との関係も行政書士が分かりやすく紹介【相続】

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【基本】法定相続分を徹底解説。誰がいくら受け取れる?遺言書との関係も行政書士が分かりやすく紹介【相続】

【基本】法定相続分を徹底解説。誰がいくら受け取れる?遺言書との関係も行政書士が分かりやすく紹介【相続】

2026/02/08

相続が発生した際、多くの方が直面するのが「誰がどのくらいの割合で財産を引き継ぐのか」という問題です。

親族間の話し合い(遺産分割協議)で全員が合意すれば自由に決めることができますが、その話し合いの「基準」となるのが法律で定められた「法定相続分」です。

本記事では、相続の超基本である法定相続分の仕組みから、配偶者や子供、兄弟姉妹の優先順位、そして遺言書がある場合の注意点まで、行政書士の視点で詳しく、かつ深掘りして解説します。


相続のルールを決める二つの柱

相続における財産の分け方には、大きく分けて二つの基準があります。

1. 被相続人の意思(指定相続分)

一つは、亡くなった方(被相続人)の意思を尊重する「遺言」による指定です。民法902条では、被相続人が遺言によって相続分を自由に定めることができるとされており、これが原則として優先されます。

2. 法律の定め(法定相続分)

もう一つが、今回詳しく解説する「法定相続分」です。これは民法900条によって定められた、法律上の目安となる配偶者や親族の取り分です。遺言書がない場合や、遺産分割協議がまとまらない場合の最終的な基準として機能します。

なぜ法定相続分の理解が必要なのでしょうか。それは、たとえ遺言書を書く場合であっても、後述する「遺留分」の計算の基礎となるのがこの法定相続分だからです。まずはこの基本の「型」を身につけることが、スムーズな相続への第一歩となります。


相続人になれる人の範囲と優先順位

法定相続分を理解するためには、まず「誰が相続人になるのか」を知る必要があります。相続人には「常に相続人になる人」と「順位によって決まる人」がいます。

配偶者は常に相続人

亡くなった方の夫、または妻は、常に相続人となります。これは法律婚をしている場合に限られ、内縁の妻や夫(事実婚)は法定相続人には含まれない点に注意が必要です。長年連れ添ったパートナーであっても、籍を入れていなければ法律上の相続権は発生しません。

血族相続人の優先順位

配偶者以外の親族は、以下の優先順位で相続人になります。先順位の人が一人でもいる場合、後順位の人は相続人になれません。

・第1順位:子 亡くなった方に子供がいる場合、その子が相続人となります。もし子がすでに亡くなっているが、その子にさらに子供(被相続人の孫)がいる場合は、孫が引き継ぎます(代襲相続)。

・第2順位:直系尊属 子供や孫が一人もいない場合に初めて、父母や祖父母などの直系尊属に相続権が移ります。

・第3順位:兄弟姉妹 子供もおらず、父母などの直系尊属もすでに他界している場合に、初めて兄弟姉妹が相続人となります。


【パターン別】法定相続分の割合を徹底シミュレーション

配偶者と他の相続人が組み合わさったとき、それぞれの取り分がどのように変化するかを見ていきましょう。

1. 配偶者と子が相続人の場合(第1順位)

最も一般的なケースです。

・配偶者:2分の1 ・子:2分の1

子が複数いる場合は、2分の1の枠を人数分で均等に分けます。例えば子供が3人いる場合、子供一人あたりの取り分は「2分の1 × 3分の1 = 6分の1」となります。

2. 配偶者と直系尊属が相続人の場合(第2順位)

子供がいない場合、相続権は亡くなった方の親(父母)に移ります。

・配偶者:3分の2 ・直系尊属:3分の1

父母ともに存命なら、3分の1を半分ずつ分けるため、一人あたり6分の1となります。配偶者の取り分が、子のケース(2分の1)よりも増えるのが特徴です。

3. 配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合(第3順位)

子供もおらず、親もすでに他界している場合、相続権は亡くなった方の兄弟姉妹に移ります。

・配偶者:4分の3 ・兄弟姉妹:4分の1

兄弟が複数なら、4分の1を均等に分けます。このケースでは、配偶者が大半を相続することになりますが、それでも兄弟姉妹に「4分の1」の権利があるという点が、実務上非常に大きなポイントとなります。


具体例で考える相続の落とし穴

「子がいない夫婦の一方が他界したケース」を具体的にイメージしてみましょう。

夫が亡くなり、妻(配偶者)が存命、子供はおらず、夫の両親もすでに他界しているが、夫には兄がいるという状況を想定します。

この場合、法定相続分は以下の通りです。

・妻:4分の3 ・夫の兄:4分の1

ここでよくある誤解が、「夫婦二人で築いた財産なのだから、すべて妻が相続するのが当然だろう」という思い込みです。しかし、法律上は夫の兄にも「4分の1」の権利が発生します。

例えば、自宅不動産の名義が夫であった場合、その名義変更(相続登記)を行うには、妻と夫の兄が話し合い、遺産分割協議書に署名・捺印をしなければなりません。

もし、夫の兄と疎遠であったり、仲が悪かったりする場合、この「4分の1」の権利を主張されることで、妻が住み慣れた自宅を売却して現金を捻出しなければならないといった事態も起こり得ます。

兄弟間の相続については、特に「異母兄弟・異父兄弟」がいる場合に計算が複雑になります。以下の関連記事でも詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

【相続】兄弟が亡くなった際の相続分はどうなる。いわゆる半血兄弟の2分の1規定を専門家が徹底解説【遺言】 https://daisei.online/blog/detail/20260113173223/


遺言書があればすべて自由になるのか

被相続人の意思を優先する原則に基づき、遺言書を作成すれば「全財産を妻に相続させる」といった指定が可能です。これにより、法定相続分の規定を上書きすることができます。

しかし、ここで忘れてはならないのが「遺留分(いりゅうぶん)」の存在です。

遺留分とは

遺留分とは、一定の相続人に対して、法律上最低限保障されている遺産の取り分のことです。たとえ遺言で「愛人に全額譲る」とか「特定の子供にすべてを託す」と書かれていても、遺留分を持つ相続人が請求(遺留分侵害額請求)をすれば、その分の金銭を取り戻すことができます。

この遺留分を計算する際のベースになるのが「法定相続分」です。一般的に、遺留分は法定相続分の半分(直系尊属のみが相続人の場合は3分の1)とされています。

兄弟姉妹には遺留分がない

ここが非常に重要なポイントです。

・遺留分がある人:配偶者、子、直系尊属 ・遺留分がない人:兄弟姉妹

先ほどの「子がおらず、配偶者と兄弟が相続人」のケースでは、兄弟には遺留分がありません。つまり、このケースで遺言書を作成し「妻にすべてを相続させる」と記しておけば、兄弟が「俺の取り分の4分の1をよこせ」と言ってきても、法的に拒否することができるのです。

遺言書を作成する際は、この「誰に遺留分があって、誰にないのか」を正確に把握しておくことが、争族(そうぞく)を防ぐ最大の鍵となります。


法定相続分を巡るよくある複雑なケース

基本はシンプルですが、家族の形が多様化している現代では、計算が複雑になるケースが多々あります。

代襲相続(だいしゅうそうぞく)が発生する場合

例えば、第1順位である子が、被相続人よりも先に亡くなっていた場合です。この場合、その子に子供(被相続人の孫)がいれば、孫が子と同じ相続分を引き継ぎます。 孫が複数いる場合は、亡くなった子が本来もらえるはずだった枠を孫たちで分け合うことになります。

養子縁組がある場合

養子も法律上の「子」に含まれます。実子がいる場合でも、養子と実子の相続分は全く同じです。 また、普通養子縁組の場合、養子は実親の相続権も失いません。つまり、養親と実親の両方から相続する権利を持つことになります。

非嫡出子(ひちゃくしゅつし)がいる場合

婚姻関係にない男女の間に生まれた子供を非嫡出子と呼びます。かつては非嫡出子の相続分は嫡出子の半分とされていましたが、最高裁判所の違憲判決(平成25年)を受け、現在は嫡出子も非嫡出子も、相続分は全く同じとなっています。


行政書士に相談するメリット

相続の手続きは、単に「割合を計算する」だけでは終わりません。実際の現場では、感情的な対立や、古い戸籍の解読といった困難が待ち受けています。

・戸籍謄本の収集が煩雑で進まない 昭和初期や明治時代の戸籍を読み解き、隠れた相続人がいないか調査するのは専門的な知識が必要です。

・不動産の評価が分からない 預貯金のように割り切れない不動産を、法定相続分に沿ってどう分けるべきか、専門的なアドバイスが可能です。

・有効な遺言書の作成サポート せっかく書いた遺言書が形式不備で無効になったり、遺留分を無視して争いの種になったりしないよう、法的根拠に基づいた案文を作成します。

私たちは中立かつ客観的な立場から、円満な相続をサポートいたします。


相続に関するQ&A

Q. 離婚した前妻との間に子供がいます。今の妻との間に子供はいませんが、相続分はどうなりますか。

A. 離婚した前妻は相続人ではありませんが、その方との間の子供は、第1順位の相続人としての権利を失いません。 したがって、現在の配偶者が2分の1、前妻との間の子供が2分の1を相続することになります。もし現在の奥様に全財産を残したいのであれば、遺言書を作成して「前妻の子には遺留分相当額を、残りは妻に」といった対策が必要です。

Q. 私(妻)が亡くなった場合、夫の連れ子(前の奥さんとの子)に私の財産は行きますか。

A. 夫の連れ子とあなたが養子縁組をしていない限り、その子はあなたの法定相続人にはなりません。 あなたの相続人は、夫と、もしあなたに実子がいたりご両親が存命であれば、その方々になります。連れ子に財産を渡したい場合は、養子縁組をするか、遺言書で指定する必要があります。

Q. 認知症の相続人がいる場合、法定相続分での分割はどうなりますか。

A. 相続人の中に判断能力が不十分な方がいる場合、そのままでは遺産分割協議を行うことができません。 家庭裁判所に「成年後見人」の選任を申し立てる必要が出てきます。後見人が選任されると、基本的にはその方の法定相続分をきっちりと確保する形で協議が進められることが一般的です。

Q. 相続人全員が法定相続分にこだわらず、一人が全財産をもらってもいいのですか。

A. はい、問題ありません。 相続人全員が参加して行われる遺産分割協議において、全員が合意していれば、誰がどのくらいの割合で相続するかは自由に決めることができます。ただし、後で「やっぱり不公平だ」と揉めないよう、しっかりと遺産分割協議書を残しておくことが大切です。

Q. 被相続人の借金も法定相続分で引き継ぐのですか。

A. はい、借金などの負債も法定相続分に応じて引き継ぐのが原則です。 プラスの財産よりもマイナスの財産が多い場合は、「相続放棄」という手続きを検討する必要があります。相続放棄には「自分が相続人であることを知った時から3ヶ月以内」という期限があるため、注意が必要です。


相続は、制度を正しく知ることで、将来の不安を安心に変えることができます。 少しでも疑問や不安がある場合は、お気軽に当事務所までお問い合わせください。

ご家族の状況に合わせた最適なプランをご提案させていただきます。

次は、あなたのケースで「誰が相続人になるのか」を具体的に整理してみませんか。家系図の作成や相続人の調査からサポートさせていただきます。

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※本ページは行政書士ダイセイ法務事務所のスタッフによる「ブログ」を掲載しております。日々の思いから専門知識、業界用語、内部事情など「中の人」しか知らないここだけの情報を「簡潔に」発信しております。ぜひご参考にしてください。

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