日本版DBS導入で民間教育事業者が求められる対応とは?制度の概要と実務上の留意点を徹底解説

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日本版DBS導入で民間教育事業者が求められる対応とは?制度の概要と実務上の留意点を徹底解説

【信頼確保】日本版DBS導入で民間教育事業者が求められる対応とは?制度の概要と実務上の留意点を徹底解説【認証】

2026/03/06

子どもたちの安全を守るための画期的な仕組みとして、日本版DBS(こども性暴力防止法)への注目が高まっています。学習塾やスポーツクラブといった民間教育事業を運営する皆様にとって、この制度への理解と適切な準備は、コンプライアンス遵守のみならず、保護者からの信頼を勝ち取るためにも避けては通れない課題です。

本記事では、日本版DBSの背景から、対象となる事業者の条件、具体的な安全確保措置の内容、そして実務上の留意点までを、行政書士の視点から詳しく解説します。


日本版DBSが創設された背景と子どもを取り巻く環境の変化

近年、子どもたちが活動するフィールドは学校内にとどまらず、多角化しています。放課後の学習塾、土日のスポーツ少年団、音楽教室、さらには短期のキャンプやオンライン授業など、多様なコミュニティに参加する機会が増加しました。

このような環境の変化は、子どもたちの可能性を広げる一方で、不特定多数の大人との接触機会を増やすことにも繋がっています。残念ながら、本来であれば子どもを導く立場にある指導者やスタッフによる性犯罪被害が社会問題化してきました。

これまでの仕組みでは、雇用主が採用候補者の性犯罪歴を正確に把握する手段が限られていたため、過去に問題を起こした人物が別の場所で再び子どもに接する職に就く、いわゆる「渡り歩き」を防ぐことが困難でした。こうした状況を打破し、子どもたちが安心して過ごせる環境をハード・ソフト両面から整備するために誕生したのが日本版DBSです。

この制度は、英国のDBS(Disclosure and Barring Service)をモデルにしており、犯罪証明書の提出を求める仕組みを日本流にアレンジしたものです。こども家庭庁が主導となり、性犯罪から子どもを守るための実効性のある仕組みづくりが進められています。


日本版DBSの対象となる事業者と認定制の仕組み

日本版DBSにおいて、すべての事業者が一律に強制されるわけではありません。大きく分けて「義務化される施設」と「任意で認定を受ける施設」の二層構造になっています。

義務化される対象

・学校(小学校、中学校、高校など)
・児童福祉法に基づく施設(保育所、児童養護施設など)
・認定こども園

任意で認定を受けられる対象(民間教育事業者など)

・学習塾
・スポーツクラブ
・文化教室(ピアノ、書道、絵画など)
・放課後児童健全育成事業(民間学童)
・放課後デイサービスの一部

民間事業者の場合、こども家庭庁の認定を受けることで、初めてDBS(性犯罪前科照会)の仕組みを利用できるようになります。この認定を受けるためには、一定の安全確保措置を講じていることが条件となります。


安全性の証明となる「こまもろう」マークの活用

認定を受けた事業者は、こども家庭庁が定めた公式のロゴマークを使用することが可能になります。このマークは、夜でも子どもを見守るフクロウをモチーフにした「こまもろう」マークといいます。

この「こまもろう」マークを教室の入り口やウェブサイト、パンフレット等に掲示することで、国が定める厳しい安全基準を満たしていることを保護者へ視覚的にアピールできます。保護者が預け先を選ぶ際の重要な判断基準となるため、他社との差別化やブランド価値の向上、延いては入会率の改善にも大きく寄与する重要なツールとなります。


安全確保措置の具体的内容とこども家庭庁の指針

認定を受けるために事業者が講じなければならない安全確保措置は、単に「犯歴を確認する」ことだけではありません。こども家庭庁の指針に基づくと、主に以下の3つの柱が重要視されています。

1. 性犯罪歴の照会

採用しようとするスタッフ、あるいは現職のスタッフに対し、こども家庭庁を通じて法務省へ性犯罪歴の有無を確認します。照会の対象となるのは、拘禁刑以上の刑に処せられた前科などで、一定の期間内のものが該当します。

2. 配置転換等の措置

万が一、照会の結果として性犯罪歴が判明した場合には、その職員を子どもと接する業務に就かせてはならないというルールです。事務部門への異動や、物理的に子どもと接触しない業務への配置転換が必要になります。

3. 予防のための体制整備

・子どもと大人が1対1になる状況を極力作らない物理的・環境的な工夫
・性暴力の兆候を早期に発見するための相談窓口の設置と周知
・全職員に対する定期的な性暴力防止研修の実施
・万が一の事案発生時における迅速な報告・対応体制の構築

これらの措置が適切に運用されているかどうかが、認定の継続や社会的信用の維持に直結します。


事業者の対応と労務管理上の留意点

日本版DBSの導入は、事業所の運営体制を根本から見直すきっかけとなります。しかし、制度を導入するにあたっては、職員の権利保護と業務効率のバランスを慎重に考慮しなければなりません。

就業規則等の改定

DBS制度を利用するには、就業規則や雇用契約書に明確な根拠規定を設ける必要があります。
・採用時および在職中の性犯罪歴照会への同意に関すること
・犯罪歴が判明した場合、または照会に同意しない場合の配置転換や職種変更に関する規定
・プライバシー保護と個人情報の厳格な秘密保持義務

これらを曖昧にしたまま照会を行うと、労働紛争に発展するリスクがあります。特に、過去の犯罪歴を理由とした不利益な取り扱いは、職業選択の自由やプライバシー権とも密接に関わるため、専門的な法的知見に基づいた規程作成が求められます。

体制整備における萎縮効果への配慮

安全を追求するあまり、現場に過度な負担を強いたり、職員を過剰に監視したりすることは逆効果になるおそれがあります。 過度な整備は職員に萎縮効果をもたらし、結果として教育の質の低下や、指導における熱意の喪失、さらには離職率の増加を招きかねません。 疑うための制度ではなく、子どもと職員の双方を守るための制度であることを、全スタッフに丁寧に説明し、納得感を得ることが不可欠です。


行政への説明と文書作成の重要性

認定を受ける際や、行政による定期的な報告、あるいは立ち入り調査を求められた際、自社の取り組みがいかに適切であるかを説得的に説明する能力が問われます。

行政当局は、形式的な書類の整備だけでなく、実態として安全確保措置が機能しているかを注視します。
・実施した配置転換が、子どもの安全確保に十分なものであるか
・プライバシー情報の管理フローに漏れはないか
・実施している研修が形骸化せず、具体的な効果を生んでいるか

これらを行政に理解されやすい形で言語化し、客観的な証拠書類として保存しておくことが重要です。当事務所のような行政書士は、こうした文書作成の専門家として、事業者の皆様の体制整備を全面的にサポートいたします。


まとめ

日本版DBSは、子どもたちの未来を守るための強力な盾となります。民間教育事業者にとっては、この制度を前向きに捉え、早期に対応を進めることが、長期的な事業継続と信頼獲得の鍵となるでしょう。「こまもろう」マークの取得を目指し、一歩進んだ安全対策を検討してみてはいかがでしょうか。


Q&Aコーナー

Q1:学習塾を経営していますが、日本版DBSへの対応は必須ですか?

A1:現時点では、民間事業者の場合は任意です。しかし、保護者の安全意識が高まっている中、認定を受けていないことが安全対策に消極的というメッセージとして捉えられるリスクはあります。業界標準となる前に対応を済ませておくことが賢明です。

Q2:認定マークの名称やデザインにはどのような意味がありますか?

A2:認定を受けた事業者が使用できるのは「こまもろう」マークです。フクロウをモチーフにしており、夜でも子どもを見守る、知恵を持って守るという願いが込められています。このマークを提示することで、こども家庭庁の認定を受けた安全な施設であることを証明できます。

Q3:現在働いているスタッフにも犯罪歴の照会をしなければなりませんか?

A3:認定を受ける場合、新規採用者だけでなく、現在子どもと接する業務に就いている既存のスタッフも照会の対象となります。ただし、本人の同意を得ることが大前提です。同意が得られない場合の対応については、あらかじめ就業規則等で定めておく必要があります。

Q4:照会の結果、性犯罪歴があることが分かりました。すぐに解雇できますか?

A4:犯罪歴があるからといって、直ちに解雇が正当化されるわけではありません。まずは子どもと接しない業務への配置転換を検討することが優先されます。業務の性質上、どうしても配置転換が不可能な場合に限り、慎重な手続きを経て解雇の有効性が検討されることになります。労働法制との兼ね合いが非常に難しいため、専門家への相談を強く推奨します。

Q5:行政書士に依頼するメリットは何ですか?

A5:行政書士は、官公署に提出する書類作成のプロフェッショナルです。日本版DBSの認定申請には、複雑な内部規程の整備や、現状の体制を説明する報告書の作成が伴います。これらを法令に適合させつつ、貴社の現場の負担を最小限に抑える形で作成することで、スムーズな認定取得とコンプライアンスの強化を同時に実現できます。


貴社の施設でも、日本版DBSへの対応準備を始めませんか。具体的な就業規則の変更案作成や、行政への申請サポートについて、当事務所が力になります。まずは無料相談から承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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※本ページは行政書士ダイセイ法務事務所のスタッフによる「ブログ」を掲載しております。日々の思いから専門知識、業界用語、内部事情など「中の人」しか知らないここだけの情報を「簡潔に」発信しております。ぜひご参考にしてください。

行政書士は、ビザ、許認可申請、書類作成、その他行政や法務に関する手続の専門家です。何から始めてよいのか分からない場合、ぜひ行政書士にご相談下さい。無料相談も承っておりますので、ぜひお気軽にお問合せ下さい。


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