【ビザ】高度専門職と経営・管理の違いを徹底解説|3000万円要件の適用範囲とメリット【経営者】

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【ビザ】高度専門職と経営・管理の違いを徹底解説|3000万円要件の適用範囲とメリット【経営者】

【ビザ】高度専門職と経営・管理の違いを徹底解説|3000万円要件の適用範囲とメリット【経営者】

2026/03/21

日本でのビジネス展開や投資を検討されている外国人経営者や、高度な専門スキルを持つ管理職の方々にとって、どの在留資格を選択するかは非常に重要な戦略的判断となります。特に「高度専門職」と「経営・管理」は、どちらも企業の経営や管理に携わる活動を対象としていますが、その要件や優遇措置には大きな違いがあります。

また、2025年10月頃の法令改正により、従来の「500万円以上の出資」から「3000万円以上の資本金」へと要件が大幅に変更されました。この基準が高度専門職にも適用されるのかという点は、現在最も多く寄せられる相談の一つです。本記事では、これら2つの在留資格の違い、独自のメリット、そして最新の審査基準について、実務的な視点から詳しく解説します。


1. 高度専門職と経営・管理の定義と基本要件

まずは、それぞれの在留資格がどのような活動を想定しているのか、基本的な定義から整理していきましょう。

経営・管理の定義

「経営・管理」は、日本国内において事業の経営を行い、または管理に従事する活動を行うための在留資格です。具体的には、企業の代表取締役や取締役などの役員、あるいは支店長や部長などの管理職が該当します。単に「現場で働いている」だけではなく、会社の意思決定権を持っていたり、組織の重要な管理業務を担っていることが条件となります。

最新の主な基本要件は以下の通りです。
・事業を営むための事業所が日本に確保されていること
・原則として3000万円以上の資本金(またはそれに準ずる規模)を有していること
・申請人が経営または管理の実務に従事すること ・事業の継続性および安定性が事業計画書等により客観的に認められること

高度専門職(特に1号ハ)の定義

「高度専門職」は、日本の学術研究や経済発展に寄与することが期待される「高度外国人材」を優先的に受け入れるための制度です。経営に携わる場合は、活動内容そのものは「経営・管理」と重複するため、「高度専門職1号ハ」という区分になります。

最大の違いは、学歴、職歴、年収などを点数化する「ポイント制」による評価が行われる点にあります。高度な専門性を持つ個人に対して、より多くの優遇措置を与えようという趣旨に基づいています。

主な基本要件は以下の通りです。 ・「経営・管理」の在留資格に該当する活動を行うこと ・高度人材ポイント評価表において、合計ポイントが70点以上であること ・本邦の公私の機関において、事業の経営を行い、または管理に従事すること ・日本において受ける報酬の年額が300万円以上であること


2. 両者の決定的な違いとポイント制の仕組み

「経営・管理」と「高度専門職」の最大の違いは、審査のプロセスと、許可された後の優遇措置の幅にあります。

ポイント制による客観的評価

高度専門職を申請する場合、法務省が定める「高度人材ポイント評価表」に基づいて自身のスペックを数値化する必要があります。これは、個人の「能力」を指標にする点が特徴です。

主な加点項目は以下の通りです。
・学歴:博士号取得者(30点)、修士号取得者(20点)、専門職学位(20点)
・職歴:経営または管理の実務経験が10年以上(20点)、7年以上(15点)など
・年収:年齢と連動して加点され、例えば30代後半で年収1,000万円以上であれば高いポイントが付与されます
・地位:代表取締役(10点)、取締役(5点)
・特別加点:日本語能力(N1保持者や日本国内の大学卒業者)、投資運用業への従事、指定大学の卒業など

合計で70点を超えれば「高度専門職」として認められ、80点を超えるとさらに永住許可申請への道が最短1年へと短縮されます。一方、「経営・管理」にはこのようなポイント審査はなく、純粋に「その事業が日本において必要かつ適切に運営されるか」が審査の主眼となります。

在留期間の付与

在留資格「経営・管理」では、実績や会社の規模に応じて「1年」「3年」「5年」のいずれかが付与されます。初回申請では「1年」となるケースが非常に多く、毎年の更新手続きが負担となることが珍しくありません。

一方、「高度専門職」の場合は、法令上、一律で「5年」の在留期間が付与されます。これは中長期的なビジネスプランを立てる上で非常に大きなメリットとなります。更新の手間だけでなく、更新時に「事業が赤字である」といったリスクに直面する頻度も減ることになります。


3. 高度専門職を選択する最大のメリット:永住許可への近道

経営者としての活動を行う際、あえて「高度専門職」を選択することには、通常のビザでは得られない多大なメリットがあります。

永住許可要件の大幅な緩和

通常、永住許可を取得するには原則として「引き続き10年以上」日本に在留している必要があります。しかし、高度専門職の場合は以下のようになります。
・ポイント70点以上を維持して3年間継続して活動した場合
・ポイント80点以上を維持して1年間継続して活動した場合

日本で本格的に骨を埋めてビジネスを展開したい方にとって、この期間短縮は最大のメリットです。永住許可を取得すれば、在留期限の制限がなくなり、活動の自由度も飛躍的に向上します。また、住宅ローンの審査なども通りやすくなるという実利もあります。

親の帯同が認められる

通常の就労ビザ(経営・管理を含む)では、自分の親を日本に呼んで一緒に暮らすためのビザは、非常に特殊な事情を除き、原則として存在しません。

しかし、高度専門職の場合は、以下の条件を満たせば、本人または配偶者の親の帯同が認められます。
・高度専門職本人または配偶者の7歳未満の子供を養育する場合
・高度専門職本人の配偶者が妊娠中であり、その介助を行う場合
・世帯年収が800万円以上であること

経営者として多忙な日々を送る中で、本国から親を呼んで子育てをサポートしてもらえるこの制度は、多くの外国人経営者に選ばれる理由となっています。

配偶者の就労制限の緩和

「経営・管理」の配偶者の在留資格は通常「家族滞在」となり、原則として週28時間以内のアルバイトしかできません。もしフルタイムで働きたい場合は、配偶者自身が自力で「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザの要件を満たす必要があります。

高度専門職の配偶者の場合、一定の要件を満たせば、学歴や職歴の要件を問わず、フルタイムでの就労が可能になります。これにより、夫婦で協力して日本での生活基盤を築くことが容易になります。


4. 転職や変更時の注意点:高度専門職の制約

メリットが多い高度専門職ですが、注意点もあります。それは「活動内容と所属機関の紐付け」が強い点です。

・指定された機関での活動:高度専門職は「指定された株式会社での経営活動」として許可されます。そのため、もし別の会社を立ち上げたり、代表を辞めて別の法人の経営に就く場合は、改めて「在留資格変更許可申請」を行わなければなりません。
・変更時の再審査:変更申請の際には、その時点でもポイントが70点を超えているか、移籍先の法人の経営状態は健全かなどが再度厳格に審査されます。
・退職後の猶予:高度専門職としての活動を継続して3ヶ月以上行わずに日本に滞在し続けていると、在留資格の取消対象となる可能性があるため注意が必要です。


5. 3000万円の要件は高度専門職にも適用されるか

さて、本題である「2025年10月頃からの3000万円要件」についてです。結論から申し上げますと、高度専門職であっても3000万円の要件は適用されます。

なぜ「高度な人材」であるにもかかわらず、資本金要件が厳格に適用されるのでしょうか。その理由は、日本の入管法および関連省令の構造を紐解くと明確になります。

基準省令の適用

入管法7条1項2号の基準を定める省令(いわゆる基準省令)において、高度専門職の要件は「経営・管理から技能までのいずれかに該当すること」と規定されています。 これを「高度専門職(経営・管理分野)」に当てはめると、以下の2つの条件を同時に満たす必要があるという意味になります。

・ステップ1:ベースとなる「経営・管理」の基準(上陸許可基準)をクリアしていること(ここで3000万円要件等がチェックされる)
・ステップ2:その上で、高度専門職独自のポイント計算で70点を超えているか

つまり、高度専門職は「経営・管理」のアップグレード版のような位置付けであり、基礎となる「経営・管理」のハードルを飛び越えて取得することはできないのです。


6. 在留資格変更時の審査の考え方と法的解釈

すでに日本に他の在留資格で滞在しており、そこから高度専門職へ「変更」を希望される方も多いでしょう。この場合、「新規入国ではないから基準省令は直接関係ないのではないか」という疑問が生じます。

相当性判断における基準の参酌

法的には、在留資格の「変更」申請の際には、新規入国時に適用される「上陸許可基準(基準省令)」は直接的には適用されないという解釈もあります。しかし、法務大臣の裁量判断である「相当性」を判断するプロセスにおいて、基準省令の内容は当然に考慮要素に含まれると解されています。

これには以下の合理的な理由があります。
・公平性の担保:海外から新規入国する経営者には3000万円の投資を求め、国内ですでに活動している経営者にはそれを求めないとなれば、制度上の不均衡が生じます。
・日本経済への貢献度:3000万円という基準は、日本経済に寄与する事業規模の指標として設定されています。高度専門職という優遇資格を与える以上、その事業が最新の基準を満たしているかを確認するのは合理的です。

審査要領や過去の裁判決においても、基準省令に適合しない形での在留資格変更は、特段の事情がない限り認められない傾向にあります。したがって、高度専門職への変更を検討される際も、最新の資本金要件を含む経営基盤の整備は避けて通れない課題といえます。


7. まとめ

高度専門職は、経営者にとって日本での活動を最大化させる非常に強力な在留資格ですが、2025年10月以降の新しい基準により、その入り口であるハードルは一段と高くなりました。

・高度専門職でも3000万円要件は適用される
・ポイント制の恩恵を受けるには、まず堅実な経営基盤が必要 ・変更申請であっても最新の法令基準が実質的に適用される

これらのポイントを正しく理解し、戦略的に準備を進めることが重要です。当事務所では、高度専門職への変更や新規取得、最新の3000万円要件への対応、さらにはポイントシミュレーションまで幅広くサポートしております。

ご自身の現在の状況で、どのようなアプローチが最適か。まずは一度、専門的なカウンセリングを受けることをお勧めします。


Q&A コーナー

Q:現在「経営・管理」で在留中ですが、ポイントが70点を超えました。すぐに高度専門職に変更すべきでしょうか。

A:メリットとデメリットを比較して判断することをお勧めします。5年の在留期間や永住許可の早期取得、親の帯同が必要であれば変更する価値は十分にあります。ただし、所属機関が変わる際の手続きが厳格になる点や、最新の3000万円要件をクリアしているかを確認する必要があります。

Q:以前の基準(資本金500万円)の時に「経営・管理」を取得しました。高度専門職への変更には3000万円必要ですか。

A:はい、原則として高度専門職への変更を申請する時点での最新法令基準が考慮されます。高度専門職という優遇された在留資格へのアップグレードを希望されるのであれば、最新の3000万円要件を満たしていることが実務上強く求められます。

Q:年収ポイントについて、具体的に「年収」には何が含まれますか。

A:高度専門職のポイント計算における年収には、基本給のほか、役員報酬、賞与が含まれます。ただし、本国から支給される報酬や、実費精算される交通費などは含まれません。また、会社からの報酬支払い能力についても審査されるため、利益状況との整合性が重要です。

Q:親を日本に呼ぶ要件で「世帯年収800万円以上」とありますが、合算は可能ですか。

A:はい、高度専門職本人とその配偶者の年収を合算することが可能です。世帯全体として日本での生活基盤が安定しており、親をサポートできる能力があるかどうかが判断基準となります。

Q:3000万円の要件をクリアするための対策はありますか。

A:資本金額そのものだけでなく、法令上は「事業の規模」が総合的に判断されます。ただし、最新の運用では資金的な裏付けがより重視される傾向にあるため、個別の状況に応じた立証戦略が必要です。まずは現在の事業計画を整理し、専門家へ相談することをお勧めします。


当事務所では、複雑な在留資格の手続きを専門家としてトータルサポートいたします。 初回のご相談から、一人ひとりに最適なビザ戦略をご提案させていただきます。

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※本ページは行政書士ダイセイ法務事務所のスタッフによる「ブログ」を掲載しております。日々の思いから専門知識、業界用語、内部事情など「中の人」しか知らないここだけの情報を「簡潔に」発信しております。ぜひご参考にしてください。

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