【ビザ】外国人の在留資格の証明はどっち?パスポートのシールと在留カードの違いを徹底解説【パスポート】
2026/04/03
日本で生活する外国人の方や、その雇用主、ご家族にとって、在留資格の証明方法は非常に関心の高いテーマです。特に、パスポートに上陸許可のシール(証印シール)が貼られる場合と、そうでない場合があることに疑問を感じる方は少なくありません。
本記事では、入管法に基づいた運用のルールや、中長期在留者が知っておくべき証明書の優先順位、そして実務上の「添付書類の有無」の理由について、専門的な視点から詳しく解説します。
パスポートのシールと在留カードの役割
日本の出入国管理制度において、外国人の在留資格を証明する手段は主に2つあります。それは、パスポートに貼付されるシール(証印)と、交付される在留カードです。
2012年(平成24年)に導入された新しい在留管理制度により、それまでの「外国人登録証明書」制度が廃止され、中長期在留者については在留カードがその役割を全面的に担うようになりました。これにより、パスポートへの証印(シール)のあり方も大きく変化しています。
以前の制度を知る方や、短期滞在で入国した経験のある方にとっては、パスポートのシールこそが唯一の証明書であるというイメージが強いかもしれませんが、現在の中長期在留者にとっては在留カードが主役となっています。
在留資格のシール等が貼られない(省略される)ケース
現在の制度下では、利便性と効率化の観点から、以下のようなケースでパスポートへの貼付が省略されるのが一般的です。特に国内での手続きにおいては、シールよりもカードの交付が法的な重みを持ちます。
1. 日本国内での変更や更新手続き時
すでに日本に居住している方が在留期間を更新したり、別の在留資格へ変更したりする場合、手続きの完了は新しい在留カードの交付によって法的に成立します。この際、パスポートに新しいシールを貼る必要はなく、多くの場合で省略されます。
かつては、パスポートに更新済みのスタンプやシールを逐一貼ることで履歴を管理していましたが、現在は「ICチップを内蔵した在留カードそのものに最新の情報を集約する」という考え方にシフトしています。これにより、パスポート側の余白を消費することなく、カード一枚で正確な在留状況を証明できるようになりました。
2. 自動化ゲートや顔認証ゲートの利用時
主要な空港(成田、羽田、関西、中部など)で導入されている自動化ゲートや顔認証ゲートを利用して出入国した場合、証印(スタンプやシール)は原則として省略されます。
これは審査の迅速化を目的としたものですが、免税手続きなどで入国日の証明が必要な場合は注意が必要です。ゲートを通過した直後に近くの事務室や係員に申し出てスタンプをもらう必要がありますが、後日の申し出は原則として受け付けられないため、その場での対応が求められます。
3. オンライン申請を利用した場合
近年、利便性向上のために推進されている在留資格のオンライン申請では、新しい在留カードを郵送などで受け取ることが可能です。このプロセスでは、物理的にパスポートを入管の窓口へ提示・預託する工程がありません。そのため、構造上パスポートにシールが貼られることは物理的に不可能です。
パスポートにシールや書類が添付される主なケース
一方で、パスポートにシールが貼られたり、書類が添付されたりするのは、主に以下のような状況です。これらは「上陸の許可」そのものを証明する場合や、特別な活動内容を補足する場合に限られます。
1. 新規入国時(上陸許可)
日本の空港や港で初めて、あるいは再入国許可を持って入国審査を受ける際、すべての外国人はパスポートに上陸許可のシールを貼られます。これには入国日、在留期限、在留資格、そして上陸した空港名が記載されています。
これは入管法第9条に基づき、日本への上陸が公式に許可されたことを証明するための極めて重要な記録です。中長期在留者の場合、このシールが貼られると同時に、その場で在留カードが発行されます。
2. 短期滞在(観光・親族訪問など)の場合
観光、親族訪問、短期商用などで入国する方(いわゆるビザなし渡航や90日以内の滞在など)には、在留カードが交付されません。そのため、パスポートに貼られる上陸許可シールが、日本での在留資格と在留期間を証明する唯一の手段となります。
3. 特定の在留資格における「指定書」の添付
「特定活動」や「高度専門職」などの在留資格では、パスポートに「指定書」という一葉の紙面が添付されます。厳密にはシールではなく、パスポートの余白ページにホチキス留めされる形式ですが、パスポートと一体となって在留資格の内容を補足する、シールに近い性質の重要な書類です。
この指定書には、その外国人が日本で行うことができる具体的な活動内容(勤務先の名称や、許可された活動の範囲など)が詳細に記されています。これらは在留カードの券面だけでは判別できない情報を補完するものであり、カードとセットで提示・保管することが義務付けられています。
4. 難民申請中の場合
難民申請が受理された際、パスポートに申請受付票が貼られ、それが一時的に在留資格を証明する代わりのシール(スタンプ)として機能する場合があります。
手続きによって対応が分かれる実務上の理由
中長期在留者の方が日本国内で手続きを行う際、パスポートにシールが貼られたり、省略されたりと対応が分かれることがあります。これには、いくつかの実務的な背景があります。
担当官の判断と慣例
入管の窓口では、担当官の判断や、その手続きの性質上の慣例によって記録としてシールを貼る場合があります。
例えば、例外のケースとして、留学の在留資格の更新時などが挙げられます。この際、資格外活動許可(アルバイトの許可)を同時に申請することが一般的であるため、その手続き完了をパスポート上でも分かりやすく示すために、証印シールを貼る運用がなされることがあります。
一方で、例えば留学から日本人の配偶者等へ変更する場合などは、就労制限がなくなるため、パスポートに特記事項を記す必要性が低くなります。そのため、現在の標準的なルールに則ってシール貼付が省略され、在留カードのみの交付となる傾向にあります。
地方出入国在留管理局ごとの運用の差
厳密には統一されたルールがありますが、窓口の混雑状況や、地域ごとの事務処理の慣例により、シールの貼付を希望すれば対応してくれる場合もあれば、現在は在留カードのみの運用ですと断られる場合もあります。しかし、どちらの結果であっても、新しい在留カードを受け取っていれば、法的な権利に違いはありません。
外国人を雇用する企業担当者が確認すべき点
企業が外国人を採用する際、あるいは雇用を継続する際、パスポートと在留カードのどちらを確認すべきか迷うことがあります。
1. 在留カードが原本であること
中長期在留者を雇用する場合、必ず在留カードの原本を確認してください。パスポートのシールは過去の記録に過ぎない可能性があります。カードの有効期限が切れていないか、表面の就労制限の有無に何と記載されているかをチェックすることが法的義務に繋がります。
2. 指定書の確認(特定活動などの場合)
前述の通り、特定活動などの資格を持つ方を採用する場合、パスポートにホチキス留めされている「指定書」を必ず確認してください。指定書に記載された活動内容(勤務先など)と、自社での業務内容が合致している必要があります。もし指定書を紛失していたり、内容が異なっていたりする場合は、速やかに専門家へ相談してください。
知っておきたい重要ポイントと注意点
在留資格に関する証明書類の取り扱いには、いくつかのルールがあります。予期せぬトラブルを避けるために、以下の内容を正しく理解しておきましょう。
・優先順位は常に在留カード 警察官や役所の窓口などで提示を求められた際、最優先となるのは在留カードです。入管法第19条の3により、中長期在留者は有効な在留資格を証明する義務を在留カードによって果たします。
・添付書類の取り扱いに注意 パスポートのシールを剥がしてはいけないのはもちろん、ホチキス留めされている「指定書」を勝手に取り外すことも避けてください。これらはパスポートと一体の公文書として扱われます。
・内容の即時確認 新しい在留カードを受け取った際は、表面の氏名、在留資格、有効期限などが、自分の申請内容と一致しているか必ずその場で確認してください。
よくある質問(Q&Aコーナー)
Q 在留資格を更新しましたが、パスポートにシールが貼られませんでした。これでは不法残留になってしまいませんか。
A ご安心ください。現在の制度では、新しい在留カードが手元に交付されていれば、パスポートへのシール貼付がなくても法的に全く問題ありません。在留カードが、あなたの有効な在留資格を証明する唯一の公的書類となります。
Q 特定活動の「指定書」がパスポートにホチキス留めされています。これは邪魔なので外してもいいですか。
A いいえ、絶対に取り外さないでください。指定書は、在留カードとセットであなたの活動内容を証明する重要な公的書類です。入国審査や警察の検問などで提示を求められた際、指定書がないと適切な活動を行っているか証明できなくなる恐れがあります。
Q 免税店で買い物をしたいのですが、パスポートに上陸許可のシール(スタンプ)がありません。どうすればよいですか。
A 自動化ゲートを利用してシールがない場合、免税手続きができないことがあります。入国審査時に係員へ申し出てスタンプをもらう必要があります。ただし、中長期在留者(在留カード所持者)の方は、原則として免税対象外となります。
Q パスポートを更新して新しくなりました。古いパスポートに貼ってある在留資格のシールはどうなりますか。
A 有効な在留カードを携帯していれば、在留資格の証明としては十分です。古いパスポートのシールを新しいパスポートに移し替える必要はありません。ただし、過去の入国記録の資料として、古いパスポートも大切に保管しておくことをお勧めします。
Q 例えば留学から日本人の配偶者等に資格変更した際、以前の留学の時のシールがパスポートに残っています。これは剥がしてもいいのでしょうか。
A いいえ、絶対にはがさないでください。過去の在留履歴を示す公的な記録です。新しい在留カードが最新の資格を証明しますので、古いシールはそのままでも法的な問題は生じません。
Q パスポートを紛失してしまいました。シールや指定書が添付されていたのですが、どうすればよいですか。
A パスポートを紛失しても、在留カードがあれば在留資格は証明できます。速やかに警察と大使館等で手続きを行い、パスポートを再発行してください。その際、失った「指定書」についても、入管で再交付等の相談を行う必要があります。
Q 役所や銀行でパスポートにシールがないことを指摘されました。
A 現在の中長期在留者の資格証明は在留カードに一本化されており、パスポートへの貼付は原則として不要であることを説明してください。在留カードを提示すれば、手続きが進められるはずです。
結びに
在留資格の証明に関するルールは、デジタル化の流れに伴い、より簡素化される方向にあります。パスポートのシールや指定書、そして在留カードの関係を正しく理解しておくことは、日本でトラブルなく過ごすための第一歩です。
手続きに関して少しでも不明な点がある場合や、ご自身の状況が特殊で判断に迷う場合は、お一人で悩まずにぜひ当事務所までお問い合わせください。行政書士として、皆様の円滑な在留手続きと日本での生活を全力でバックアップいたします。
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