【ビザ】在留資格の申請が不許可になる理由にはどんなものがありますか?【申請】
2025/07/17
せっかく準備をして申請した在留資格が不許可になってしまったら。そんな不安を抱えている方は少なくありません。実は、入管の審査は単なる書類の不備チェックにとどまらない、非常に奥深い背景があります。
今回は、在留資格の申請で不許可になる理由や、審査の裏側にある法律の考え方、そして不許可を避けるための対策について詳しく解説します。これから申請を予定している方はもちろん、不許可になってしまい再申請を検討している方もぜひ参考にしてください。
在留資格が不許可になる根本的な理由とは
入管の審査において、不許可という結果が出るのには必ず理由があります。しかし、その理由は必ずしも書類が足りないといった単純なものだけではありません。
1. 在留資格の該当性が認められない
そもそも、日本の入管法では、外国人が日本に滞在するためには一定の在留資格のいずれかに該当しなければならないと定められています。
在留資格は何らかの活動を行う目的があることを前提としています。つまり、ただ来たいからという希望をかなえる在留資格はありません。
観光目的の短期滞在はそれに近い部分がありますが、それでも一定の目的を示して許可を受けることを必要としています。申請する活動内容が、法律で定められたどの在留資格にも当てはまらない場合、当然ながら不許可となります。
2. 申請内容に虚偽がある、または疑わしい
入管法7条1項2号では、申請に係る本邦において行おうとする活動が虚偽のものでないことが求められています。
提出した履歴書や職務経歴書、契約書などの内容に矛盾があったり、事実と異なる記載があったりする場合、不許可の決定的な理由になります。また、悪意がなくても、説明不足によって実態がないのではないかと疑われてしまうケースも多々あります。
3. 上陸許可基準に適合していない
特定の在留資格には、法務省令で定められた具体的な上陸許可基準があります。
例えば、従事しようとする業務に必要な学歴や実務経験があるか、日本人と同等額以上の報酬を受け取っているかといった点です。これらの基準を一項目でも満たしていないと判断されれば、許可を得ることはできません。
審査の鍵を握る「産業および国民生活への影響」
意外と知られていないのが、入管法7条1項2号に規定されている「我が国の産業及び国民生活に与える影響その他の事情を勘案して」という文言です。
法には、日本の産業と国民生活への影響を考慮すべきことが明文で定められています。これは非常に抽象的な表現ですが、審査官がこれらの要素を無視するわけにはいきません。
産業への影響とは
ここでの産業とは、雇用政策その他社会経済政策に対する影響を考慮すべきことを指します。
例えば、特定の業種で急激に外国人が増えることで、日本人の雇用機会が不当に奪われないか、あるいはその産業の健全な発展に寄与するかといった視点が含まれます。経済状況や国の政策方針によって、審査の厳しさが変動する要因の一つとなります。
国民生活への影響とは
国民生活については、当該外国人の在留によって国民の生活に及ぼす環境的影響や文化的影響を考慮すべきことを定めているものと考えられます。
良好な地域コミュニティの維持や、日本の文化・社会秩序との調和が保たれるかどうかが、広い意味で審査の対象となっているのです。
これらの規定は、個別の申請内容を精査する際の背景として機能しており、申請をする側としても、これを無視するわけにはいきません。
法務大臣に認められた「広汎な裁量」という壁
在留資格の審査を難しくしているもう一つの要因が、判例上確立している法務大臣の広汎な裁量です。
入管の審査は、運転免許の試験のように単なる杓子定規な基準によって許可の許否が定まるわけではないと考えておかなければなりません。法務大臣(実務上は入国審査官)には、その外国人の上陸や在留を認めるかどうかを判断する、非常に広い裁量権が与えられています。
恣意的な判断ではない
法務大臣の裁量が広いということは、単に形式的な基準を満たしているかどうかだけで許否が決まるわけではないことを意味します。
もちろん、恣意的な判断が許されるわけではありませんし、内部の審査要領等においては詳細な判断要素が定められており、審査の過程及び根拠が客観的に示すことができるように慎重に審査がなされているものと考えられます。そうでなければ行政への信頼が担保されることはありません。
政策や統計による左右
しかし、前記の裁量の広さを考えれば、経済的目的や政策的目的によって、また当該在留資格の統計的な人数等を見計った上で、許否の判断がこれらに左右されることは十分考えられます。
少なくとも、現状の法制度の下ではこの程度が限界であると見立てておく必要があります。
不許可を回避し、許可率を高めるための対策
入管審査の厳しさを踏まえた上で、許可を勝ち取るためにはどのような準備が必要でしょうか。
1. 自ら立証する責任を自覚する
入管法7条2項には、審査を受ける外国人は、同項に規定する上陸のための条件に適合していることを自ら立証しなければならないと明記されています。
審査官があなたの代わりに有利な証拠を探してくれることはありません。自分から積極的に、条件に適合していることを立証しなければなりません。
2. 丁寧な説明と十分な資料
これくらい書けばわかるだろうという甘い見通しは危険です。少しでも疑問を抱かせるポイントがあるなら、理由書や説明書を作成し、事実関係を丁寧に解説しましょう。
・ 過去の経歴との整合性
・ なぜその会社で、その業務を行う必要があるのか
・ 学んだことと実務の関連性
これらを、客観的な資料を添えて説明することが、不許可リスクを低減させる唯一の方法です。
3. 国の政策動向を注視する
前述の通り、審査は国の政策に左右されることがあります。現在、政府がどの分野の受け入れを拡大しようとしているのか、あるいはどの分野で不法就労の取り締まりを強化しているのかといったニュースに敏感になっておくことも大切です。
申請前にチェックすべきポイント
ご自身で申請を予定されている方は、以下のチェックリストを確認してみてください。
・ 申請する在留資格の活動内容を正しく理解していますか。
・ 入管法で定められた上陸許可基準をすべて満たしていますか。
・ 提出書類の記載内容に、矛盾や誤字脱字はありませんか。
・ 学歴や職歴を証明する公的な書類は揃っていますか。
・ なぜ日本でその活動をしたいのか、理由を明確に説明できますか。
・ 日本での生活を支えるための安定した収入や資産がありますか。
・ 過去に交通違反や法律違反、オーバーステイなどの問題はありませんか。
これらの中に一つでも不安な点がある場合は、そのまま申請するのではなく、専門家に相談することをお勧めします。
よくある質問(Q&A)
在留資格の申請に関して、よくいただくご質問をまとめました。
Q. 一度不許可になったら、もう二度と申請できないのでしょうか。
A. いいえ、そんなことはありません。不許可の理由を確認し、その原因となった問題を解消できれば、再申請して許可を得ることは可能です。ただし、一度目の申請内容との整合性が厳しくチェックされるため、より慎重な準備が必要になります。
(追記)新しいブログを2026年1月10日に情報発信しました。こちらもぜひご参照ください。
不許可】在留資格(ビザ)が不許可・不交付になったらどうする?理由聴取の流れと再申請への対策を徹底解説【ビザ】
URL:https://daisei.online/blog/detail/20260110130815/
Q. 自分で申請するのと行政書士に頼むので、結果は変わりますか。
A. 行政書士は入管が何を重視して審査しているかというポイントを熟知しています。本人申請では見落としがちな説明不足や立証不足を補うことができるため、結果的に許可の可能性を高めることができます。
Q. 審査期間はどれくらいかかりますか。
A. 在留資格の種類や申請内容、混雑状況によって異なりますが、一般的には1か月から3か月程度かかることが多いです。余裕を持ったスケジュールで準備を始めることが重要です。
Q. 会社が小さいと不許可になりやすいというのは本当ですか。
A. 会社の規模だけで決まるわけではありませんが、会社の安定性や継続性は審査の対象となります。決算書の内容が芳しくない場合は、今後の事業計画書などを提出して、雇用を維持できることを立証する必要があります。
Q. 理由書は必ず書かなければなりませんか。
A. 法律上の必須書類ではない場合もありますが、実務上は非常に重要です。申請書の枠内だけでは伝えきれない背景や立証事項を補足するために、作成することを強くお勧めします。
まとめ
在留資格の審査は、個人の人生を左右するだけでなく、日本の社会や産業とも密接に関わっています。そのため、審査は一定程度は国の政策に左右されてしまう可能性があることを見据えておく必要があります。
不許可を未然に防ぐためには、単に書類を埋めるだけでなく、なぜ許可されるべきなのかという論理的な説明と、それを裏付ける客観的な証拠が不可欠です。
万一のためにも、十分な資料の提出や丁寧な説明を行っておくことが肝要になります。もし、書類の作成に不安があったり、自分のケースが基準に適合するか判断に迷ったりしたときは、ぜひ当事務所にご相談ください。
私たちは、皆様が安心して日本での生活やビジネスをスタートできるよう、専門的な立場から全力でサポートいたします。
今回の内容についてもっと詳しく知りたい、あるいは具体的な相談をしたいという方は、以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。専門の行政書士が親身に対応させていただきます。
参照条文
参照条文:
出入国管理及び難民認定法(入管法)7条
(入国審査官の審査)
第七条 入国審査官は、前条第二項の申請があつたときは、当該外国人が次の各号(第二十六条第一項の規定により再入国の許可を受けている者又は第六十一条の二の十五第一項の規定により交付を受けた難民旅行証明書を所持している者については、第一号及び第四号)に掲げる上陸のための条件に適合しているかどうかを審査しなければならない。
一 その所持する旅券及び、査証を必要とする場合には、これに与えられた査証が有効であること。
二 申請に係る本邦において行おうとする活動が虚偽のものでなく、別表第一の下欄に掲げる活動(二の表の高度専門職の項の下欄第二号に掲げる活動を除き、五の表の下欄に掲げる活動については、法務大臣があらかじめ告示をもつて定める活動に限る。)又は別表第二の下欄に掲げる身分若しくは地位(永住者の項の下欄に掲げる地位を除き、定住者の項の下欄に掲げる地位については、法務大臣があらかじめ告示をもつて定めるものに限る。)を有する者としての活動のいずれかに該当し、かつ、別表第一の二の表及び四の表の下欄に掲げる活動を行おうとする者については我が国の産業及び国民生活に与える影響その他の事情を勘案して法務省令で定める基準に適合すること(別表第一の二の表の特定技能の項の下欄第一号に掲げる活動を行おうとする外国人については、一号特定技能外国人支援計画が第二条の五第六項及び第七項の規定に適合するものであることを含む。)。
三 申請に係る在留期間が第二条の二第三項の規定に基づく法務省令の規定に適合するものであること。
四 当該外国人が第五条第一項各号のいずれにも該当しないこと(第五条の二の規定の適用を受ける外国人にあつては、当該外国人が同条に規定する特定の事由によつて同項第四号、第五号、第七号、第九号又は第九号の二に該当する場合であつて、当該事由以外の事由によつては同項各号のいずれにも該当しないこと。以下同じ。)。
2 前項の審査を受ける外国人は、同項に規定する上陸のための条件に適合していることを自ら立証しなければならない。この場合において、別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄第一号イからハまで又は同表の特定技能の項の下欄第一号若しくは第二号に掲げる活動を行おうとする外国人は、前項第二号に掲げる条件に適合していることの立証については、次条第一項に規定する在留資格認定証明書をもつてしなければならない。
3 法務大臣は、第一項第二号の法務省令を定めようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長と協議するものとする。
4 入国審査官は、第一項の規定にかかわらず、前条第三項各号のいずれにも該当しないと認める外国人が同項の規定による個人識別情報の提供をしないときは、第十条の規定による口頭審理を行うため、当該外国人を特別審理官に引き渡さなければならない。
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