【提出書類】在留資格申請時の雇用契約書作成で注意すべき停止条件付き契約とは【ビザ】

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【提出書類】在留資格申請時の雇用契約書作成で注意すべき停止条件付き契約とは【ビザ】

【提出書類】在留資格申請時の雇用契約書作成で注意すべき停止条件付き契約とは【ビザ】

2026/05/23

 

はじめに

外国人を雇用する際、在留資格の申請や変更には雇用契約書や雇用条件通知書などの書類が欠かせません。特に留学生から就労系の在留資格への変更を検討している企業の人事担当者は、この手続きの複雑さに頭を悩ませることも多いでしょう。

本ブログでは、在留資格申請における雇用契約書作成時の重要な注意点、とりわけ「停止条件付き契約」という実務上の重要な工夫について詳しく解説いたします。適切な雇用契約書を準備することで、許認可手続きをスムーズに進め、コンプライアンスを保ちながら外国人材の受け入れを実現させましょう。

雇用契約書と雇用条件通知書の基礎知識

雇用契約書とは

雇用契約書は、企業と労働者の間で雇用関係の成立を示す書面です。給与、勤務地、勤務時間、職務内容などの重要な労働条件を記載します。

法律上、雇用契約書の作成は義務ではありませんが、トラブル防止や労働条件の明確化のため、実務上はほぼ必須となっています。特に外国人雇用の場合は、在留資格申請時に提出を求められるため、必ず準備すべき書類です。

雇用条件通知書との違い

雇用条件通知書は、企業から労働者に対して労働条件を一方的に通知する書面です。雇用契約書のように双方の合意署名がない点が特徴です。

労働基準法第15条では、使用者は労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示する義務があります。この法定要件を満たすため、雇用条件通知書の交付が一般的です。

外国人雇用の場合、在留資格申請では雇用契約書と雇用条件通知書の両方、またはいずれか一方の提出が求められることがあります。申請先の出入国在留管理局に事前確認することをお勧めします。

在留資格申請に関わる労働法規の概説

外国人雇用における法的枠組み

外国人を雇用する場合、一般的な日本人労働者と同様に労働基準法の適用を受けます。最低賃金法、労働安全衛生法、雇用保険法など、関連する法令も適用されることになります。

ただし、外国人であることに基づく特殊な規定も存在します。最も重要なのが在留資格制度です。日本に滞在し、就労活動を行うためには、その活動内容に相応しい在留資格を持つ必要があります。

就労資格と就労活動

在留資格は大きく二つのカテゴリに分かれます。一つは就労が許可される在留資格(「高度専門職」「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」など)で、もう一つは就労が許可されない在留資格(「留学」「家族滞在」など)です。

就労が許可されない在留資格のまま就労活動を行うことは、不法就労に該当します。企業が就労できない在留資格のままの外国人を働かせた場合、不法就労助長罪に問われるリスクがあります。

在留資格申請時に雇用契約書が必要とされる理由

就労内容と報酬の明示が申請要件

在留資格申請において、雇用契約書や雇用条件通知書の提出が求められるのは、その外国人がどのような内容の仕事に従事し、どの程度の報酬を得るのかを明示する必要があるからです。

就労が在留活動となっている場合、申請当局(出入国在留管理庁)は、申請者の活動内容が在留資格の要件を満たしているかを判断する必要があります。そのため、具体的な職務内容、給与額、勤務時間などを示す書面が欠かせないのです。

申請書類としての役割

雇用契約書は単なる企業内の書類ではなく、申請庁に対する「この外国人をこのような条件で雇用する意思がある」という法的な意思表示となります。

申請書類として提出される以上、内容の真実性と実現可能性が厳しく審査されます。架空の給与額を記載したり、実現不可能な職務を記載したりすれば、許可取消事由にもなりかねません。

留学から就労系在留資格への変更における実務課題

在留資格変更の典型的なケース

外国人留学生を採用する場合、現在の在留資格「留学」から「技術・人文知識・国際業務」などの就労系在留資格への変更が必要です。

一般的には、企業から内定を受けた留学生が、在留資格の変更許可申請を行うという流れになります。この時点では、当然のことながら、元の「留学」在留資格のままです。新しい就労系在留資格への変更がまだ許可されていないため、就労することはできません。

実務上のジレンマ

ここで大きな問題が生じます。在留資格申請に当たっては、雇用契約書の提出が必須であり、その契約書には通常、雇用開始年月日の記載が求められます。

しかし、企業側の立場からすると、在留資格が変更されていない段階で、実際に外国人を就労させることはできません。もし元の「留学」在留資格のままで働かせれば、その外国人も企業も不法就労に関わることになり、法的リスクを負うことになります。

一方、申請庁としても、具体的な雇用開始日が記載されていない曖昧な契約書では、その外国人の活動内容を判断しにくくなります。

このジレンマを解決するために考案されたのが、「停止条件付き雇用契約書」という実務的な工夫です。

停止条件付き雇用契約書とは

停止条件の法律的意味

民法の契約法では、「停止条件」という概念があります。これは、ある条件が成就することで、契約の効力が初めて生じることを意味します。

雇用契約において停止条件を付すということは、「この雇用契約は、所定の条件が満たされるまでは効力を生じず、条件が満たされた時点で初めて有効になる」ということです。この場合、条件とは「在留資格の変更許可」です。

停止条件付き契約書の実例

停止条件付き雇用契約書には、以下のような文言が付加されます。

「本契約は、貴従業員が地方出入国在留管理局から就労に係る許可を受けた日から有効とする」

または

「本契約に基づく雇用関係の発生は、申請者が就労資格に係る在留資格の変更許可を取得したことを停止条件とする」

このような文言により、契約書は雇用契約書として提出することができ、かつ実際の就労開始は在留資格の許可後となるという法的整合性が取れます。

実務的なメリット

停止条件付き契約書の採用により、以下のメリットが得られます。

企業側は、在留資格変更前の段階で内定予定者との雇用契約を成立させることができ、採用プロセスの確実性が増します。

申請庁に対しては、具体的な雇用条件を示した契約書を提出でき、審査の円滑化につながります。

外国人労働者側としては、在留資格変更申請時に企業からの確実な雇用の意思を示す書面を用意できるため、申請の信頼性が向上します。

法的には、在留資格が変更されるまで就労しないという点で、不法就労を防ぐセーフガードとなります。

出入国在留管理庁による公式な見解

Q&A資料での言及

出入国在留管理庁のウェブサイトでは、「就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について」というQ&A資料が公表されています。

この資料のQ20において、停止条件付き雇用契約書についての考え方が明示されています。同庁は、「地方出入国在留管理局から就労に係る許可を受けた日から有効とする」といった文言を例示し、このような停止条件付き契約が実務上妥当であることを示唆しています。

公式見解の重要性

政府機関である出入国在留管理庁による公式な見解が示されていることは、企業にとって大きな安心材料です。停止条件付き契約書の作成は、単なる企業側の工夫ではなく、申請庁自身が認める実務的な手法であるということです。

この公式見解に基づいて雇用契約書を作成することで、申請時に不備として指摘されるリスクを大幅に低減できます。

停止条件付き雇用契約書の作成時の注意点

必須記載事項

停止条件付き雇用契約書を作成する際には、通常の雇用契約書に必要な事項に加えて、以下の点に注意が必要です。

停止条件の内容を明確に記載すること。「就労資格の変更許可を受けた日から有効」という文言は、曖昧さを避けるため、できるだけ具体的に記載します。

雇用開始年月日として、「就労資格の変更許可を受けた日」と記載することで、条件成就時点を明確にします。

給与、職務内容、勤務地などの具体的な雇用条件は、停止条件の有無にかかわらず、通常どおり記載すべきです。

使用者の法的責任

企業が停止条件付き雇用契約書を作成した場合でも、その後の対応には十分な注意が必要です。

在留資格の変更が許可された場合には、速やかに外国人労働者の就労を開始し、合意した労働条件を履行する義務が発生します。実体としても、企業には在留資格の変更許可があり次第、当該労働者を稼働させることが求められます。

逆に、在留資格変更が不許可となった場合は、当然のことながら雇用契約は有効にならず、雇用関係は成立しません。この場合、企業は不測の事態に備えて、代替措置を講じる必要があります。

契約書の保管と提出

停止条件付き雇用契約書は、在留資格変更申請時に提出する重要な書類です。作成から提出までの過程で、以下の点に注意します。

契約書は、双方の署名・押印が必ずなされていることを確認します。

原本が必要か、謄本でよいかについては、申請先の出入国在留管理局に事前確認することが重要です。

契約書には、企業の代表者印が押捺され、その真正性が確認できるようにします。

提出後も、企業側で契約書の写しを保管し、今後のトラブル対応に備えます。

雇用条件通知書との使い分け

どちらを選択すべきか

在留資格申請に当たり、雇用契約書と雇用条件通知書のどちらを使用すべきかは、ケースバイケースです。

新規採用の場合は、雇用契約書の作成が一般的です。既に雇用関係が存在する場合や、試用期間終了後の本採用の際には、雇用条件通知書を活用することもあります。

停止条件を付す場合、一般的には雇用契約書に条件文言を追加する形式が採られます。これは、契約書の双方署名という形式が、条件付きの合意をより明確に示すからです。

申請庁への事前相談

実は、どちらの書類を提出すべきかについて、申請庁の指示は厳密ではないことも多いです。むしろ、申請庁は外国人労働者の具体的な就労条件が明示されていることを求めています。

在留資格申請の前に、管轄の出入国在留管理局に問い合わせ、必要な書類の仕様について確認することをお勧めします。事前の相談により、不備による再提出の手間を避けることができます。

まとめ:コンプライアンスと実務のバランス

外国人を雇用し、在留資格申請を行う企業にとって、適切な雇用契約書の作成は、単なる手続きではなく、法的リスクを回避するための重要な対策です。

停止条件付き雇用契約書は、在留資格の変更前に具体的な雇用条件を示しながら、実際の就労開始を在留資格許可後にするという、法的要請と実務的要請のバランスを取るための優れた工夫です。

出入国在留管理庁による公式見解も、このような実務的手法を認めています。企業の人事担当者や採用担当者は、この制度を正しく理解し、適切に活用することで、外国人材の採用をスムーズかつ確実に進めることができます。

よくあるご質問

Q1. 停止条件付き雇用契約書を作成した場合、外国人労働者はいつから働き始められるのでしょうか。

A. 停止条件付き契約書では、在留資格の変更許可を受けた日から雇用契約が有効になります。したがって、労働者が実際に就労を開始できるのは、出入国在留管理局から就労許可を受けた日以降となります。この日付までは、いかなる就労活動も行うことはできません。

Q2. 雇用開始予定日が決まっていない場合、契約書にはどのように記載すればよいでしょうか。

A. 雇用開始予定日の具体的な年月日が不確定な場合、「就労資格に係る在留資格の変更許可を受けた日」という停止条件の文言を挿入することで対応します。これにより、契約書の法的有効性を保ちながら、実際の開始日の不確定性に対応できます。

Q3. 在留資格の変更申請が不許可となった場合、雇用契約書はどうなるのでしょうか。

A. 停止条件付き雇用契約書は、条件が成就しなかった場合、契約そのものが有効にならないという性質を持っています。したがって、在留資格変更が不許可となれば、その契約書に基づく雇用関係は発生しません。企業は別途、対応を検討する必要があります。

Q4. 停止条件付き雇用契約書は、外国人労働者の側にとってデメリットはないでしょうか。

A. 停止条件付き契約書は、外国人労働者にとってはむしろメリットがあります。企業からの確実な雇用意思を示す書面となるため、在留資格申請時の信頼性が向上します。また、条件が成就すれば確実に雇用が開始されるという保障にもなります。

Q5. 複数の外国人を採用する場合、全員に対して停止条件付き契約書を用意する必要があるのでしょうか。

A. 在留資格の変更申請前である全ての新規採用外国人に対して、停止条件付き契約書を用意することが推奨されます。既に就労資格を有する外国人の採用や転職の場合は、通常の雇用契約書で対応できます。

Q6. 停止条件付き雇用契約書の作成にあたり、弁護士や行政書士に相談すべきでしょうか。

A. 雇用契約書の作成には法律的な知見が必要となる場合があります。特に初めて外国人を採用する企業や、複雑な状況がある場合は、法律専門家に相談することでトラブル防止につながります。出入国在留管理に詳しい行政書士であれば、在留資格申請との関連性も含めた助言が可能です。


※本ブログは一般的な情報提供を目的としています。具体的な在留資格申請については、管轄の出入国在留管理局にお問い合わせいただくか、法律専門家にご相談ください。

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※本ページは行政書士ダイセイ法務事務所のスタッフによる「ブログ」を掲載しております。日々の思いから専門知識、業界用語、内部事情など「中の人」しか知らないここだけの情報を「簡潔に」発信しております。ぜひご参考にしてください。

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