【就労制限】アルバイトでも「所属機関に関する届出」は必要か 在留資格別に徹底解説【外国人】

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【就労制限】アルバイトでも「所属機関に関する届出」は必要か 在留資格別に徹底解説【外国人】

【就労制限】アルバイトでも「所属機関に関する届出」は必要か 在留資格別に徹底解説【外国人】

2026/07/03

外国籍の方が日本でアルバイトを始めるとき、多くの方が一度は疑問に感じるのが「所属機関に関する届出」という手続きです。正社員として就職した場合には届出が必要というイメージをお持ちの方は多いものの、アルバイトのような非正規雇用の場合にも同じ義務があるのかどうかは、意外と知られていません。

結論から言えば、届出が必要かどうかは在留資格の種類と就労の形態によって大きく異なります。同じ「アルバイト」という働き方であっても、留学ビザや家族滞在ビザで働く場合と、就労ビザを持つ方が副業として働く場合とでは、取り扱いがまったく違うため注意が必要です。

この記事では、所属機関に関する届出制度の基本から、アルバイトの場合に届出が必要になるケースと不要なケース、届出の期限や方法、さらに雇用主側の義務との違いまで、実務の視点からわかりやすく整理します。

近年は人手不足を背景に、コンビニエンスストアや飲食店をはじめとする多くの業種で外国籍の方の採用が広がっています。採用する企業側も、採用される本人側も、在留資格ごとに求められる手続きが異なることを正しく理解しておかなければ、意図せず義務違反の状態になってしまうおそれがあります。特に「アルバイトだから届出は関係ない」という思い込みは、就労ビザを持つ方の副業のケースなどではトラブルの原因になりかねません。

所属機関に関する届出とは

所属機関に関する届出とは、出入国在留管理庁に対して外国人本人が行う手続きのひとつで、現在の在留資格の基盤となっている勤務先や通学先といった「所属機関」に変動があった際に、その内容を届け出るものです。

在留資格には、就労を目的とするものや留学を目的とするものなど複数の種類がありますが、いずれの場合も在留資格は特定の所属機関との関係性を前提として許可されています。そのため、所属機関に変更が生じた場合には、在留管理の適正化という観点から届出が求められる仕組みになっています。

届出の対象となるのは、主に就労ビザや留学ビザなど、所属機関の存在が在留資格の根幹に関わるものです。雇用形態が正社員かアルバイトかという点そのものよりも、その就労や通学が在留資格上の「主たる活動」に該当するかどうかが、届出義務の有無を左右する重要なポイントになります。

アルバイトでも届出が必要になるケース

就労を目的とする在留資格、たとえば技術・人文知識・国際業務などのビザを持つ方が、本業とは別にアルバイトという形で副業を始める場合には、原則として届出が必要になります。

これは、就労ビザにおいては勤務先そのものが在留資格の許可要件と密接に結びついているためです。新たにアルバイト先と雇用契約を結ぶということは、その方にとって新しい所属機関が加わることを意味し、出入国在留管理庁としても継続的にその状況を把握する必要があるという考え方に基づいています。

届出が必要となる主な事由は、次のとおりです。

・新しい勤務先に採用され雇用契約を結んだとき

・勤務していた先を退職したとき

・勤務先の名称や所在地が変更になったとき

・勤務先の会社が消滅したり倒産したりしたとき

・掛け持ちで複数の勤務先を持つことになったとき

これらの事由が発生した場合には、本業か副業か、正社員かアルバイトかを問わず、就労ビザを持つ方は届出義務の対象になり得るため、副業を検討している方は特に注意しておく必要があります。

たとえば、平日は本業の会社で働きながら、週末だけ別の会社で短時間のアルバイトを始めるようなケースを考えてみます。この場合、本人としては軽い気持ちで始めた副業であっても、制度上はアルバイト先も新たな所属機関として扱われるため、届出義務が発生します。副業を始めること自体が禁止されているわけではありませんが、届出を怠ったまま放置してしまうと、後になって在留期間の更新手続きなどの際に指摘を受ける可能性があるため注意が必要です。

ここで、届出義務とあわせて確認しておきたいのが、その副業の業務内容そのものが在留資格の活動範囲に含まれているかどうかという点です。所属機関に関する届出は「新しい勤務先ができた」という事実を届け出る手続きにすぎず、その勤務先で行う業務の中身が在留資格上認められたものであるかどうかは、届出とは別の問題として判断されます。

技術・人文知識・国際業務のビザは、雇用形態ではなく従事する業務内容の専門性によって成り立っている在留資格です。副業先での業務内容が、本業と同じく専門性の高い業務(たとえば翻訳、通訳、ITエンジニアリング、マーケティングなど)であれば、既存の在留資格の活動範囲内とみなされ、資格外活動許可を別途取得する必要はありません。一方で、副業先の業務内容が、飲食店の接客や軽作業といったいわゆる単純労働に該当する場合には、在留資格の活動範囲外の活動として資格外活動許可の取得が必要になります。ただし単純労働は原則として資格外活動許可の対象にもならないため、実務上はアルバイトとして成立しないケースがほとんどです。

つまり、就労ビザを持つ方が副業を始める際には、次の二点を別々に確認しておく必要があります。

・所属機関に関する届出義務があるかどうか(新しい勤務先ができたという事実についての届出)

・副業先の業務内容が在留資格の活動範囲に含まれているかどうか(資格外活動許可の要否)

このうち後者を欠いたまま活動範囲外のアルバイトを行った場合、雇用契約上の問題にとどまらず、不法就労や資格外活動として本人が処分を受ける可能性があります。単なる勤務先との契約上の制約にとどまらない、入管法上の独立した論点であることを理解しておく必要があります。もちろん、勤務先の就業規則で副業自体が制限されている場合には、これとは別に契約上の制約も存在します。

届出が不要になるケース

一方で、留学ビザや家族滞在ビザを持つ方が資格外活動許可を得たうえで週28時間以内のアルバイトを行う場合には、出入国在留管理庁への所属機関に関する届出は原則として不要とされています。

これは、留学や家族滞在という在留資格において、在留資格上の主たる活動はあくまで学校での就学や家族としての在留であり、アルバイト先そのものは在留資格の根幹をなす所属機関には該当しないと整理されているためです。アルバイト先が変わったとしても、在留資格の基盤に変動が生じるわけではないという考え方が背景にあります。

ただし、次の点には注意が必要です。

・在留資格が留学の場合、学校を卒業、退学、転校したときは、学校に関する届出が必要になります

・資格外活動許可の範囲を超えて働いてしまうと、届出の要否以前に資格外活動そのものが問題になり得ます

・アルバイト先が変わっただけであれば入管への届出は不要でも、雇用契約書や在留カードの取り扱いには留意が必要です

つまり、アルバイト先の変更それ自体は届出の対象外であっても、在留資格の土台となっている「学校」や「家族との関係」に変化が生じた場合には、別途届出が必要になるという整理をしておくと理解しやすくなります。

同じ「アルバイト」という言葉であっても、在留資格の種類によって制度上の位置づけはまったく異なります。留学や家族滞在の方にとって、あくまで主たる活動は学校での就学や家族としての在留であり、アルバイトは資格外活動許可という別枠の許可のもとで例外的に認められているものにすぎません。だからこそ、アルバイト先を変えたというだけの事情は、在留資格の根幹には影響しないものとして扱われているのです。

届出の期限と手続き方法

所属機関に関する届出が必要な場合、その期限は事由が発生した日から14日以内と定められています。転職や退職、勤務先の変更といった事由が生じてから期限までがそれほど長くないため、早めに準備を進めることが望ましいといえます。

手続きの方法としては、次の三つの方法が用意されています。

・出入国在留管理庁が提供するオンラインの入管電子届出システムを利用する方法

・必要書類を郵送で提出する方法

・最寄りの地方出入国在留管理局の窓口で直接提出する方法

郵送で提出する場合には在留カードの写しを同封する必要があるなど、方法によって求められる添付書類が異なるため、事前に必要書類を確認したうえで手続きを進めることが大切です。オンラインシステムを利用すれば、窓口へ出向く時間を確保しづらい方でも自宅から手続きを完了させやすいという利点があります。

会社側が行う届出との違い

ここまで説明してきた所属機関に関する届出は、あくまで外国人本人が出入国在留管理庁に対して行う手続きです。これとは別に、雇用主である会社側にも独自の届出義務があることを押さえておく必要があります。

会社は、留学生や家族滞在の方をアルバイトとして採用したり退職させたりした場合、ハローワークに対して外国人雇用状況届出書を提出する義務を負っています。この届出は労働施策総合推進法に基づくものであり、外国人本人が入管へ届出を行う必要がない場合であっても、雇用主側の義務は別途発生する点が特徴です。

本人が行う入管への届出と、会社が行うハローワークへの届出は制度の目的も提出先も異なるため、双方を混同しないよう整理しておくことが重要です。採用される側としては、自身の届出義務の有無にかかわらず、採用時に在留カードの情報を会社へ正確に提示することが求められます。

届出を怠った場合に想定される影響

所属機関に関する届出は、単なる事務手続きにとどまらず、在留資格の適正な管理という制度の根幹に関わるものです。届出義務があるにもかかわらず正当な理由なく怠った場合や、虚偽の届出を行った場合には、法令上のペナルティの対象となり得るほか、将来の在留期間更新や在留資格変更の審査において不利に働く可能性も否定できません。

在留資格に関する手続きは複雑に感じられることも多いため、自身のケースで届出が必要かどうか判断に迷う場合には、早めに専門家へ相談し、正確な情報に基づいて対応することをおすすめします。

よくある質問

資格外活動許可を得てアルバイトをしていますが、それでも届出は必要ですか

留学や家族滞在の在留資格をお持ちで、資格外活動許可の範囲内である週28時間以内のアルバイトを行っている場合には、出入国在留管理庁への所属機関に関する届出は原則として不要です。ただし在籍する学校を卒業、退学、転校した場合には、学校に関する届出が必要になりますので、あわせて確認しておくと安心です。

就労ビザを持っていますが、副業としてアルバイトを始める場合はどうなりますか

技術・人文知識・国際業務などの就労ビザを持つ方が、本業とは別に新しくアルバイト先と雇用契約を結ぶ場合には、そのアルバイト先も新たな所属機関として扱われるため、原則として届出が必要です。事由が発生した日から14日以内に手続きを行うようにしてください。

届出の期限を過ぎてしまった場合はどうすればよいですか

期限を過ぎてしまった場合であっても、気づいた時点でできるだけ早く届出を行うことが望ましいといえます。放置してしまうと在留資格の更新や変更の審査に影響が及ぶ可能性もあるため、状況によっては専門家に相談しながら対応を進めることをおすすめします。

アルバイト先が変わっただけの場合でも、勤務先の会社は何か手続きが必要ですか

はい。留学生や家族滞在の方をアルバイトとして採用したり退職させたりした場合、会社側にはハローワークへ外国人雇用状況届出書を提出する義務があります。これは外国人本人が行う入管への届出とは別の制度であるため、双方の手続きを混同しないよう注意が必要です。

就労ビザを持つ人が副業をする場合、届出さえ済ませれば業務内容は自由に選べますか

いいえ。所属機関に関する届出は、新しい勤務先ができたという事実を届け出るものにすぎず、その勤務先で行う業務内容が在留資格の活動範囲に含まれているかどうかは別の問題です。副業先の業務が本業と同じく専門性の高い業務であれば資格外活動許可は不要ですが、単純労働に該当する業務の場合は資格外活動許可が必要となり、実務上はほとんど認められません。届出を済ませたことと、業務内容が適法であることは、それぞれ別に確認する必要があります。

まとめ

所属機関に関する届出は、在留資格の種類とアルバイトの位置づけによって、必要になる場合と不要になる場合がはっきりと分かれる手続きです。留学や家族滞在の方が資格外活動許可の範囲内でアルバイトをする場合には原則として届出は不要である一方、就労ビザを持つ方が副業としてアルバイトを始める場合には届出義務が発生するというように、判断のポイントを正しく理解しておくことが大切です。

なお、就労ビザを持つ方の場合、届出義務の有無とは別に、副業先の業務内容が在留資格の活動範囲に含まれているかどうかという確認も欠かせません。届出さえ済ませれば業務内容を自由に選べるわけではなく、業務内容の該当性は入管法上の独立した論点として、届出とあわせて確認しておく必要があります。

在留資格に関する手続きは、ご自身の状況によって必要な対応が異なり、判断を誤ると将来の在留手続きに影響を及ぼすおそれもあります。とりわけ、複数の在留資格が関係する副業のケースや、在留期間の更新を控えている時期に届出漏れが発覚した場合には、対応に時間を要することも少なくありません。

届出の要否や具体的な手続き方法について少しでも不安がある場合には、自己判断で放置せず、早めに行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。専門家に相談することで、現在の在留資格に応じた正確な情報に基づいて、安心して日本での就労や生活を続けていくための土台を整えることができます。

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※本ページは行政書士ダイセイ法務事務所のスタッフによる「ブログ」を掲載しております。日々の思いから専門知識、業界用語、内部事情など「中の人」しか知らないここだけの情報を「簡潔に」発信しております。ぜひご参考にしてください。

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