【芸能】興行ビザ(在留資格「興行」)とは 風俗営業店舗で外国人ダンサーを招く際の注意点を徹底解説【エンタメ】

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【芸能】興行ビザ(在留資格「興行」)とは 風俗営業店舗で外国人ダンサーを招く際の注意点を徹底解説【エンタメ】

【芸能】興行ビザ(在留資格「興行」)とは 風俗営業店舗で外国人ダンサーを招く際の注意点を徹底解説【エンタメ】

2026/07/17

海外から歌手やダンサー、演奏家を招いてステージに立ってもらいたい。

そう考える飲食店経営者やイベント主催者は少なくありません。

その一方で、外国人を日本の舞台に立たせるには、観光目的の短期滞在では対応できず、在留資格「興行」いわゆる興行ビザの取得が必要になります。

さらに、招聘先がキャバレーやクラブ、パブといったいわゆる風俗営業店舗である場合には、通常の興行ビザよりも一段と厳しい基準がかかります。

本記事では、興行ビザの定義や区分、風俗営業店舗で外国人を招く際に押さえておきたい要件、そして外国人雇用と風俗営業の関係について、実務の視点から整理していきます。

これから海外アーティストの招聘を検討している事業者の方や、外国人スタッフの雇用を考えている飲食店の方に向けて、基礎から丁寧に解説していきます。

興行ビザ(在留資格「興行」)とは何か

在留資格「興行」は、出入国管理及び難民認定法の別表第一の二に定められた在留資格のひとつです。

演劇、演芸、演奏、舞踊、歌謡といった芸能活動や、プロスポーツをはじめとする興行に係る活動、あるいはテレビ出演や商業撮影などの芸能活動を行う外国人に対して認められます。

海外アーティストのライブやコンサート、K-POPアイドルの来日公演、モデルのファッションショー出演、プロスポーツ選手の大会出場、CMやドラマの撮影といった場面でよく利用される在留資格であり、エンタメビザやタレントビザと呼ばれることもあります。

在留期間は活動内容や契約の内容によって、3年、1年、6か月、3か月、30日のいずれかが決定されます。

なお、興行ビザは短期滞在ビザとは全く性質が異なるものです。

報酬を得て公演や出演を行う場合には、原則として短期滞在ではなく興行ビザによる在留資格認定証明書の取得が必要になる点に注意してください。

在留資格認定証明書とは、海外にいる外国人が日本に入国する前に、あらかじめ入管がその活動内容や条件の適合性を審査し証明する書類のことです。

この証明書を取得したうえで、在外の日本大使館や領事館においてビザの発給を受け、来日するという流れになります。

興行ビザの区分は現在3つに整理されている

以前は興行ビザの基準が1号から4号まで4つに分かれていましたが、令和5年8月1日施行の基準省令改正により、区分が整理されました。

現在の枠組みは次のとおりです。

・基準1号(イ・ロ・ハに細分化)演劇、演芸、歌謡、舞踊、演奏に係る興行活動

・基準2号 演劇等以外の興行活動(プロスポーツ、格闘技、eスポーツ、観客を伴うファッションショーなど)

・基準3号 興行以外の芸能活動(宣伝、放送番組や映画の制作、商業用写真の撮影、レコーディングなど)

かつての基準3号は現在の基準2号に、かつての基準4号は現在の基準3号に、それぞれ番号が繰り上がっています。

インターネット上には今も1号から4号までの旧い区分で説明している情報が見られますが、実際の申請では現行の基準1号(イ・ロ・ハ)・2号・3号に沿って準備を進める必要があります。

区分を誤ると、書類の補正や不許可、申請のやり直しにつながるおそれがあるため、まずはどの基準に該当するかを正確に見極めることが実務上のスタート地点になります。

基準1号の内訳(イ・ロ・ハ)

基準1号は演劇、演芸、歌謡、舞踊、演奏の興行に係る活動を対象としており、次の3つに細分化されています。

・1号イ 過去に基準1号イとして在留資格認定証明書の交付を受けた実績のある招聘機関が、再度外国人を招聘する場合の緩和類型

・1号ロ 国や地方公共団体が主催する公演、収容人員100人以上で客席において飲食を提供しない施設での公演、または報酬が1日50万円以上かつ30日以内の滞在で行われる大規模な公演など

・1号ハ 1号イ、1号ロのいずれにも該当しない場合の基本類型であり、キャバレーやクラブ、パブ、ショーパブといった、いわゆる風俗営業店舗での興行はここに含まれます

このうち、飲食店や興行の経営者にとって特に重要になるのが1号ハです。

不特定多数の客に飲食を提供する施設で外国人ダンサーや歌手を招く場合、原則としてこの1号ハの厳格な要件をクリアしなければ、興行ビザは許可されません。

基準2号と基準3号

基準2号は演劇等以外の興行活動を対象とし、プロ野球やJリーグ、大相撲、ボクシング、プロレスといった興行に出場する選手や、監督、コーチ、付随するチームスタッフなどが該当します。

基準3号は観客から入場料を得て見せる興行そのものではなく、テレビ番組への出演、CM撮影、映画のロケ撮影、CDレコーディング、雑誌のモデル撮影といった、メディア出演や制作に関わる芸能活動が対象です。

いずれの基準に該当するかによって必要書類や審査の視点が変わるため、活動の実態を条項に正しく当てはめることが申請の第一歩となります。

風俗営業店舗で外国人を招く場合の基準1号ハの要件

キャバレーやクラブ、パブ、ダンスホールなど、いわゆる風俗営業に該当する店舗で外国人ダンサーや歌手を招聘する場合、基準1号ハの要件をすべて満たす必要があります。

大きく分けると、出演者本人の経歴要件、報酬要件、施設要件、招聘機関の適格性要件の4つです。

出演者本人の経歴要件

・外国の教育機関で当該活動に関する科目を2年以上専攻していること

・または外国において当該活動に関する経験を2年以上有していること

なお、教育機関での専攻期間と実務経験を合算して2年とすることは認められていません。

いずれか一方の要件を単独で2年以上満たす必要がある点に注意してください。

報酬要件

出演者が所属機関との興行契約に基づき、月額20万円以上の報酬を受けることが明示されている必要があります。

この報酬額は口約束ではなく、契約書上に明確に記載されていることが求められます。

施設要件

外国人が実際に活動する施設そのものについても、次のような要件が課されます。

・舞台の面積が13平方メートル以上あること

・出演者用の控室の面積が9平方メートル以上あること(出演者が5名を超える場合は、超える人数1名につき1.6平方メートルを加算)

・当該施設の従業員数が5名以上であること

・施設が風俗営業に該当する場合は、客の接待を専門とする従業員が5名以上いること、または興行ビザで在留する出演者が接客に従事するおそれがないと認められること

・施設の経営者や常勤職員に、人身取引や不法就労助長といった不正行為の関与歴が過去5年以内にないこと

招聘機関の適格性要件

出演者を招く側の機関、いわゆるプロモーションや店舗の運営会社についても、次の要件が求められます。

・外国人の興行に係る業務について通算3年以上の経験を有する経営者または管理者がいること

・常勤の職員を5名以上雇用していること

・経営者や常勤職員が、人身取引等への関与や、過去5年以内の不正行為への関与がないこと

このように、出演者本人だけでなく、招聘する店舗側や運営会社側にも厳格な適格性が求められる点が、基準1号ハの大きな特徴です。

書類としては、出演契約書、公演計画書、店舗の図面や座席表、消防関係書類、経営者の経歴を示す資料などを整合性のとれた形で準備する必要があり、条項への当てはめを誤ると審査が長期化しやすい分野といえます。

外国人雇用と風俗営業の関係

ここまでは外国人自身がステージに立つ興行ビザの話でしたが、風俗営業の店舗で外国人をスタッフとして雇用する場合には、また別の制限がかかります。

外国人がキャバクラやホストクラブ、パチンコ店といった風俗営業の業務に従事できるのは、原則として次のいわゆる身分系の在留資格を持つ方に限られます。

・永住者

・特別永住者

・日本人の配偶者等

・永住者の配偶者等

・定住者(一部の活動制限がない場合に限る)

これらの在留資格は就労内容に制限がないため、日本人と同様に業種を問わず働くことが認められています。

一方で、技術・人文知識・国際業務といった一般的な就労ビザや、留学、家族滞在といった資格外活動許可に基づく在留資格では、風俗営業での就労は一切認められていません。

仮に身分系以外の在留資格を持つ外国人を風俗営業の店舗で働かせた場合、雇用主側が不法就労助長罪に問われるおそれがあり、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金といった重い刑事罰が科される可能性があります。

外国人材の採用を検討する際は、在留カードの記載内容を必ず確認し、その在留資格で従事させようとする業務が可能かどうかを事前に照合することが欠かせません。

ガールズバーは風俗営業に当たるのか

風俗営業に関連してよく話題になるのが、ガールズバーの扱いです。

ガールズバーが風俗営業に該当するかどうかは、店舗の営業実態、つまり接客の内容によって法的な扱いが大きく変わります。

建前上は風俗営業ではない業態

多くのガールズバーは、法律上は風俗営業ではなく、居酒屋などと同様の深夜酒類提供飲食店として届出のうえ営業しています。

この形態を維持するためには、次のようなルールを守る必要があります。

・カウンター越しの接客にとどめ、客の隣に座らないこと

・特定の客に付きっきりで長時間にわたり談笑しないこと

・客と一緒にカラオケを歌ったり、ダーツやゲームをしたりしないこと

これらのルールを守っている限り風俗営業には該当せず、深夜0時以降も朝まで営業することが可能です。

ただし、この形態であっても、就労制限のある在留資格を持つ外国人が深夜0時から朝6時の時間帯に働くことは、資格外活動の制限により原則としてできません。

実態として接待があれば風俗営業になる

一方で、カウンター越しであっても特定の客に長時間付き添って会話の相手をする、キャストの指名や同伴の仕組みがある、客とマッチングしてカラオケやダーツを一緒に楽しむといった行為があれば、キャバクラやホストクラブと同様の風俗営業、いわゆる第1号営業(社交飲食店)に該当します。

風俗営業の許可を得た店舗は、原則として深夜0時、一部地域では1時までしか営業できません。

実務上トラブルになりやすいのは、店舗側が届出制の深夜酒類提供飲食店のつもりでいながら、実態としてはキャストが付きっきりで接待を行っているというケースです。

このような場合、警察の立ち入り調査によって無許可の風俗営業や外国人の不法就労として摘発されるリスクが高まります。

ガールズバーで外国人を雇用する場合は、店舗が取得している届出や許可の形式だけでなく、実際の接客内容が法律上の接待に該当していないかを継続的に管理する必要があります。

深夜酒類提供飲食店との違い

深夜酒類提供飲食店は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に定められた営業形態のひとつですが、法律上の分類としては風俗営業には当たりません。

主な違いは次の3点です。

・風俗営業は公安委員会の許可が必要であるのに対し、深夜酒類提供飲食店は警察署を経由した届出で足りること

・風俗営業では接待行為が認められているのに対し、深夜酒類提供飲食店では接待行為が一切禁止され、料理や酒を運ぶ、注文を受けるといった通常の給仕のみが許されること

・風俗営業は深夜0時(一部地域は1時)から朝6時までの営業ができないのに対し、深夜酒類提供飲食店は深夜以降も営業が可能であること

風俗営業でないからといって、すべての外国人が自由に働けるわけではない点も重要です。

留学生などの資格外活動許可を持つ外国人は、深夜酒類提供飲食店で働くこと自体は可能でも、深夜0時から朝6時の時間帯に働くことは原則として認められていません。

したがって、留学生を雇用できるのは夕方から深夜0時までの時間帯に限られます。

技術・人文知識・国際業務などの一般的な就労ビザでは、そもそも飲食店のホールやキッチンといった単純労働に従事すること自体が認められていません。

結論として、ガールズバーの接客キャストとして身分系以外の外国人を合法的に雇用する方法は、原則として存在しないということになります。

特定技能(外食業)とガールズバー、風俗営業店の関係

近年、飲食店の人手不足対策として活用が進んでいる特定技能(外食業)についても、風俗営業との関係で誤解されやすいポイントがあります。

特定技能(外食業)の外国人は、通常の飲食店のホールやキッチン業務に従事することができ、深夜酒類提供飲食店の届出のみを行っている店舗であれば、その営業許可の形式自体が就労を妨げるものではありません。

しかし、風俗営業を営む営業所、そして性風俗関連特殊営業を営む営業所については、特定技能(外食業)の受入れ基準そのものにより、就労させることが認められていません。

さらに重要なのは、店舗の届出形式が深夜酒類提供飲食店であったとしても、特定技能外国人に風俗営業法上の接待に当たる行為をさせることは禁止されているという点です。

カウンター越しであっても特定の客の話し相手を続ける、酒を注いで一緒に乾杯する、ゲームの相手をするといった行為は、店舗の届出形式にかかわらず接待とみなされる可能性が高く、これを行わせた場合は受入れ企業側の重大な義務違反となり、特定技能の受入れ停止といった措置につながるおそれがあります。

加えて、深夜シフトに従事させる場合には、深夜割増賃金が適正に支払われているか、日中と深夜の勤務が不規則に混在し労働者の健康を損なうシフトになっていないかといった、労働環境面の確認も厳格に行われます。

つまり、特定技能(外食業)はあくまで一般的な飲食店における人手不足解消を目的とした制度であり、少しでも接待の要素が入るガールズバーのような接客業務に従事させることは、制度の趣旨および受入れ基準に照らして認められないということになります。

まとめ

海外アーティストを日本のステージに招く際には、興行ビザの区分を正しく見極めたうえで、活動内容に応じた基準に当てはめて申請を進めることが欠かせません。

特に風俗営業店舗での興行は基準1号ハに該当し、出演者本人の経歴、報酬、施設、招聘機関の適格性という複数の要件をすべて満たす必要があるため、準備段階から慎重な検討が求められます。

また、外国人スタッフを風俗営業やガールズバーで雇用する場面では、在留資格の種類や店舗の実態としての接客内容によって可否が大きく変わります。

特定技能(外食業)であっても、風俗営業を営む営業所や接待行為との関係では厳格な制限が及ぶため、思わぬ法令違反につながらないよう、事前の確認が重要です。

興行ビザの申請や外国人雇用の可否についてご不明な点がある場合は、行政書士などの専門家に早めに相談し、活動内容や店舗の実態に即した対応を進めることをおすすめします。

よくある質問

興行ビザは観光目的の短期滞在ビザで代用できますか

いいえ、代用できません。報酬を得て公演や出演を行う場合は、原則として短期滞在ではなく興行ビザによる在留資格認定証明書の取得が必要になります。短期滞在で報酬を伴う出演をさせると、資格外活動に該当するおそれがあります。

興行ビザの基準1号から4号という表記を見かけますが、今も4つの区分がありますか

いいえ、令和5年8月1日施行の改正により、現在は基準1号(イ・ロ・ハ)、基準2号、基準3号の3区分に整理されています。かつての3号は現在の2号に、かつての4号は現在の3号にそれぞれ繰り上がっています。ネット上には旧い区分のまま説明している情報も残っているため、申請時には現行の区分を確認することが大切です。

風俗営業店舗で外国人ダンサーを招く場合、必ず基準1号ハに該当しますか

不特定多数の客に飲食を提供する風俗営業店舗での興行は、基本的に基準1号ハに該当します。基準1号イや1号ロに該当する特別な事情がない限り、施設要件や招聘機関の要件を含む1号ハの基準をすべて満たす必要があります。

留学生をガールズバーの接客スタッフとして雇うことはできますか

原則としてできません。ガールズバーの営業実態が風俗営業に当たる場合はもちろん就労が認められませんし、深夜酒類提供飲食店としての届出にとどまる場合であっても、留学生が働ける時間帯は深夜0時までに限られます。接客の実態が接待に当たると判断されれば、届出形式にかかわらず不法就労のリスクが生じます。

特定技能(外食業)の外国人であれば、風俗営業に関する制限は受けませんか

いいえ、特定技能(外食業)であっても風俗営業を営む営業所や性風俗関連特殊営業を営む営業所での就労は認められていません。また、店舗の届出形式にかかわらず、接待に当たる行為をさせることも禁止されています。深夜労働に関する労働環境の確認も別途厳格に行われます。

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