特定技能の支援計画書とは?1号特定技能外国人の義務的支援10項目と書き方・詳細さの目安を行政書士が解説

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特定技能の支援計画書とは?1号特定技能外国人の義務的支援10項目と書き方・詳細さの目安を行政書士が解説

特定技能の支援計画書とは?1号特定技能外国人の義務的支援10項目と書き方・詳細さの目安を行政書士が解説

2026/10/19

特定技能の外国人を受け入れようと考えたとき、多くの企業が最初につまずくのが「支援計画書」の作成です。

雇用契約書や会社の書類は何とか準備できても、「支援計画って、そもそも何を書くのか」「どこまで細かく書けば入管に認めてもらえるのか」と手が止まってしまう場面は少なくありません。

そこでこの記事では、1号特定技能外国人支援計画書の全体像から、法令で定められた義務的支援10項目、書き方の基本ルール、審査で求められる記載の詳細さまでを、実務の視点で順を追って整理します。

自社で支援を行うか、登録支援機関に委託するかを迷っている方にも判断材料になるよう、それぞれの特徴や注意点もあわせてご紹介します。

最後にはQ&Aも設けていますので、気になる項目だけ拾い読みしていただいても大丈夫です。

■特定技能の支援計画とは何か

支援計画とは、1号特定技能外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)が、外国人が日本で安心して働き、生活できるように、どのような支援をどのタイミングで行うのかを具体的に定めた計画のことです。

入国前の準備から、入国後の生活立ち上げ、在留中の相談対応まで、受け入れ側がどのように関わるのかを書面にまとめたものと考えるとイメージしやすいでしょう。

出入国管理及び難民認定法(入管法)に基づく制度では、1号特定技能外国人を受け入れる場合、この支援計画を作成し、計画に沿って適正に支援を実施することが受け入れ側の義務とされています。

つまり、支援計画は単なる提出用の書類ではなく、受け入れ後に実際に実行していくことが前提となる約束事です。

なお、この義務は1号特定技能に関するものです。

2号特定技能については、支援計画の作成義務の対象とはなっていません。

この点は混同されやすいため、押さえておきたいところです。

■支援計画書はどのような書類なのか

支援計画書の様式は、出入国在留管理庁のウェブサイトで公開されています。

正式な名称は、1号特定技能外国人支援計画書(参考様式第1-17号)です。

同じページには、自社で支援を行う場合の記載例と、支援の全部を登録支援機関に委託する場合の記載例が、それぞれ用意されています。

まずはこの記載例を見ながら、自社がどちらのパターンに当たるのかを確認することが、書類作成の第一歩になります。

支援計画書は、在留資格認定証明書交付申請(海外から呼び寄せる場合)や、在留資格変更許可申請(国内の外国人が特定技能へ切り替える場合)の際に、ほかの書類とあわせて提出します。

主に、次のような書類との組み合わせで審査されます。

・1号特定技能外国人支援計画書(参考様式第1-17号)

・支援責任者の履歴書、支援担当者の履歴書

・登録支援機関との支援委託契約に関する説明書(委託する場合)

・特定技能雇用契約書、雇用条件書などの雇用関係の書類

支援計画書だけを単独で整えるのではなく、雇用契約の内容や会社の体制を示す書類と矛盾がないように作ることが重要です。

たとえば、雇用契約書では勤務地が遠方なのに、支援計画書では送迎や生活支援を近隣の人員だけで行うことになっている、といった食い違いがあると、審査で説明を求められる原因になります。

■支援計画書の分量の目安

支援計画書は、チェック欄や記入欄が多く、全体としてはボリュームのある書類です。

後ほど説明する10項目の義務的支援について、それぞれ実施内容、実施時期、実施する人、使用する言語などを記載していくため、一般的な申請書類よりも記入に時間がかかります。

自社支援の場合は、各項目で「誰が、いつ、どのように行うか」を具体的に書き込む必要があります。

一方、全部委託の場合は、登録支援機関の情報を中心に記載する形になり、書く量は比較的抑えられます。

ただし、委託すれば何も確認しなくてよいというわけではありません。

委託先がどのような支援を行うのかを、受け入れ企業としても把握しておく必要があります。

■義務的支援10項目の内容

支援計画に盛り込む必要がある義務的支援は、全部で10項目あります。

どれか一つでも欠けると、支援計画としての基準を満たさないことになるため、すべてを漏れなく記載します。

それぞれの内容を、順番に見ていきましょう。

◆1. 事前ガイダンス

雇用契約を結んだ後、在留諸申請を行う前に、労働条件や活動内容、入国手続、生活面の注意点などを、外国人が理解できる言語で説明する支援です。

認識のずれを入国前に解消しておくことで、入社後のトラブルを防ぐ役割があります。

◆2. 出入国する際の送迎

入国時には空港などから事業所や住居まで同行し、帰国時には空港まで送り、保安検査場の入口まで見届けます。

◆3. 住居確保と生活に必要な契約の支援

住居を探す際の情報提供や、連帯保証人になること、社宅などの住居を提供することが含まれます。

あわせて、銀行口座の開設、携帯電話の契約、電気・ガス・水道などの契約について、手続の案内や同行を行います。

◆4. 生活オリエンテーション

入国後できるだけ早い時期に、日本での生活ルール、ごみ出しや交通ルール、医療機関の利用方法、災害や緊急時の連絡先などを、外国人が理解できる言語で説明します。

◆5. 公的手続等への同行

住居地の届出、社会保障や税に関する手続などについて、窓口への同行や書類作成の補助を行います。

◆6. 日本語学習の機会の提供

日本語教室に関する情報提供や、学習教材の案内、入学手続の補助などを通じて、日本語を学べる環境づくりを支援します。

◆7. 相談・苦情への対応

職場や生活上の悩み、苦情について、外国人が理解できる言語で相談できる窓口を設け、内容に応じて必要な助言や関係機関への案内を行います。

◆8. 日本人との交流促進

地域の行事や住民との交流の機会について情報を提供し、参加を後押しします。

地域になじむきっかけをつくることで、孤立を防ぐ狙いがあります。

◆9. 転職支援(人員整理などの受け入れ側の都合で雇用契約を解除する場合)

企業側の事情で雇用契約を続けられなくなった場合に、次の受け入れ先を探す手伝いをしたり、求職活動のための時間を確保したりします。

◆10. 定期的な面談と行政機関への通報

3か月に1回以上、外国人本人と、その外国人を監督する立場にある方の双方と面談を行います。

労働関係法令や入管法令に違反する事実を知ったときは、関係する行政機関に通報します。

なお、これら10項目の支援にかかる費用は、外国人本人に負担させてはならないとされています。

ここでいう費用は、支援を実施するために受け入れ側に生じる費用のことで、入居後の家賃や光熱費のように本人が負担すべき生活費とは区別して考えます。

■支援計画書の書き方の基本ルール

書き方の細かな部分は記載例に沿って進めることになりますが、全体を通じて押さえておきたい基本ルールがあります。

・実施主体を明確にする

自社で行うのか、登録支援機関に委託するのかを、項目ごとに矛盾なく記載します。

・使用する言語を明記する

ガイダンスや相談対応を、どの言語で行うのかを書きます。

外国人本人が十分に理解できる言語であることが必要です。

・責任者と担当者を明記する

支援を統括する支援責任者と、実際に支援にあたる支援担当者を定め、役割を明らかにします。

・実施時期を具体的にする

入国後何日以内に行うのか、何か月ごとに行うのかなど、時期の目安をはっきり書きます。

・費用負担の考え方を整理する

支援にかかる費用を本人に負担させない旨を、計画全体の方針として確認しておきます。

こうした基本事項が整っているだけで、書類全体の印象はかなり引き締まります。

■どれくらい詳しく書く必要があるのか

支援計画書で最も悩みやすいのが、「どこまで具体的に書けばよいのか」という点です。

結論から言うと、「適宜対応する」「できる限り支援する」といった抽象的な表現では不十分です。

審査では、実際にその計画を実行できるかどうかが見られますので、誰が、いつ、どこで、どのような方法で、何語で行うのかを、具体的な事実として記載することが求められます。

イメージしやすいように、生活オリエンテーションを例に比べてみましょう。

・抽象的すぎる例

「入国後、生活ルールを説明します。」

・具体性のある例

「入国後〇日以内に、支援責任者または委託先の担当者が、生活ガイドブックを用いて、本人の母国語で、交通ルール、ごみの分別方法、近隣とのマナーなどについて、〇時間程度のオリエンテーションを実施する。」

後者のように、時期、担当者、使用する資料、言語、内容、所要時間までが読み取れる書き方が理想です。

特に意識したい点は、次の三つです。

・母国語対応の体制を示す

社内に当該言語を話せる職員がいるのか、通訳を手配するのか、外部の通訳サービスを利用するのかを、具体的に説明します。

・緊急時の連絡体制を示す

病気や事故、災害などが起きたときに、外国人が誰にどのように連絡できるのかを明らかにします。

・実際に運用できる内容にとどめる

実行できない内容を盛り込むのは避けるべきです。

届け出た計画に沿った支援が実際に行われているかは、その後の定期的な届出や、入管による確認の場面でも見られるためです。

立派な計画を書くことよりも、実行できる計画を書くことのほうが、結果的に安全です。

■自社支援と登録支援機関への委託のどちらを選ぶか

支援は、受け入れ企業が自社で行う方法と、登録支援機関に委託する方法があります。

それぞれの特徴を整理します。

・自社で支援する場合

費用を抑えやすく、現場の状況に合わせた細やかな対応ができる点が強みです。

一方で、支援責任者と支援担当者を選任し、外国人が理解できる言語で対応できる体制を整える必要があります。

過去の受け入れ実績や、外国人の生活相談に携わった経験が求められるなど、体制に関する基準を満たせることを説明しなければなりません。

・登録支援機関に委託する場合

支援の全部を登録支援機関に委託すると、受け入れ企業は支援体制に関する基準を満たしているものとして扱われます。

計画書の作成から、日々の支援、各種の届出までノウハウのある機関がサポートするため、受け入れ企業の負担は大きく軽減されます。

その反面、委託費用が継続的にかかります。

また、委託先の質によって外国人の満足度や定着率が左右される面もあるため、委託先選びは慎重に行いたいところです。

どちらが優れているというものではなく、受け入れ人数、社内の人員体制、言語対応力、予算などを総合的に見て判断することになります。

迷った場合は、受け入れ前の段階で専門家に相談し、自社の体制で基準を満たせるかを確認してから方針を決めるのが確実です。

■計画を提出した後も続く実務上の注意点

支援計画書は、許可を受ければ終わりというものではありません。

特定技能の受け入れには、定期的な届出や、計画内容に変更が生じた場合の届出が必要になります。

届出の頻度や運用は、制度改正によって見直されることがありますので、実務を担当する際は、その時点の最新の運用要領や出入国在留管理庁の案内を必ず確認してください。

また、支援を適切に実施していなかった場合には、改善を求められたり、新たな受け入れが認められなくなったりするおそれがあります。

そのため、次のような記録を日頃から残しておくことをおすすめします。

・ガイダンスやオリエンテーションを実施した日時、担当者、内容

・面談を実施した日付と、その概要

・相談を受けた内容と、対応の経過

・各種手続に同行した際の記録

記録を残す習慣は、届出の際の資料になるだけでなく、万一のトラブルの際に適正な支援を行っていたことを示す根拠にもなります。

■よくある失敗例と対策

支援計画書の作成でよく見られる失敗を、いくつかご紹介します。

・記載が抽象的で、補正を求められる

誰が、いつ、何語で行うのかを具体的に補い、実施のイメージが読み取れる書き方にします。

・計画と実際の体制が合っていない

書いた内容を実行できる人員がいるのかを、事前に社内で確認しておきます。

・雇用契約書など、ほかの書類と内容が食い違っている

提出前に、書類全体を通して整合性を確認する作業を必ず行います。

・委託先に任せきりにしてしまう

委託する場合でも、どのような支援が行われるのかは、受け入れ企業として把握しておきます。

こうした点は、書類を一度外部の目で見直してもらうだけで、かなり防げるものです。

■支援計画書の作成を専門家に相談するメリット

支援計画書は、記載例があるとはいえ、自社の実情に合わせて内容を組み立てる必要があるため、初めての方には難しく感じられる書類です。

行政書士に相談すると、次のようなメリットがあります。

・申請の種類や分野に応じた、必要書類の整理ができる

・支援責任者や支援担当者の要件を踏まえた、体制面のアドバイスが受けられる

・自社支援と委託のどちらが適しているか、客観的な視点で検討できる

・書類同士の整合性を確認したうえで、申請に臨める

・補正や追加資料の求めがあった場合にも、落ち着いて対応しやすい

特定技能の受け入れは、準備の段階で方向性を誤ると、後から修正するのに時間も手間もかかります。

少しでも不安がある場合は、書類を作り始める前に、一度ご相談いただくことをおすすめします。

当事務所では、特定技能をはじめとする在留資格の申請サポートを行っています。

初回のご相談では、受け入れの状況をうかがったうえで、必要な手続の見通しをお伝えしますので、まだ方針が固まっていない段階でも、どうぞお気軽にお問い合わせください。

■特定技能の支援計画に関するQ&A

Q1. 支援計画書は、どこで入手できますか。

A. 出入国在留管理庁のウェブサイトに、参考様式として公開されています。

自社で支援する場合と、全部委託する場合の記載例も掲載されていますので、あわせて確認してください。

Q2. 義務的支援の10項目は、一部を省略してもよいですか。

A. 省略はできません。

10項目すべてについて、実施内容を記載する必要があります。

なお、委託する場合でも、計画に定める支援の内容そのものが減るわけではありません。

Q3. 支援の一部だけを登録支援機関に委託することはできますか。

A. 一部の委託は可能です。

ただし、支援の全部を委託した場合と異なり、支援体制に関する基準を、受け入れ企業自身が満たしているかを問われます。

そのため、一部委託を検討する際は、自社が担う範囲と体制を事前によく整理しておくことが大切です。

Q4. 支援にかかる費用を、外国人本人に負担してもらうことはできますか。

A. 義務的支援の実施にかかる費用を、本人に負担させることはできません。

ただし、入居後の家賃や光熱費など、本人が負担すべき通常の生活費は別の扱いです。

両者の区別を、計画書や契約書の中で誤解のない形で整理しておくことが重要です。

Q5. 面談は、どれくらいの頻度で行う必要がありますか。

A. 3か月に1回以上、外国人本人と、その外国人を監督する立場にある方のそれぞれに対して行うことが求められています。

面談の内容は記録に残しておきましょう。

Q6. 支援計画の内容を後から変更することはできますか。

A. 計画の内容に変更が生じた場合には、届出が必要になります。

どのような変更が対象になるかは、その時点の運用に従う必要がありますので、事前に確認することをおすすめします。

Q7. 支援計画書の作成は、行政書士に依頼できますか。

A. はい、依頼できます。

申請書類全体の整理や、支援体制の確認を含めて、受け入れの準備段階からサポートを受けることも可能です。

■まとめ

特定技能の支援計画書は、1号特定技能外国人を受け入れるうえで欠かせない書類です。

義務的支援10項目を漏れなく盛り込み、誰が、いつ、どこで、どのような方法で、何語で行うのかを、具体的に書くことが基本になります。

審査で重視されるのは、見栄えのよさではなく、実際に運用できる計画になっているかどうかです。

自社支援か全部委託かによって、必要な体制や負担は大きく変わりますので、受け入れの方針は早い段階で固めておくと安心です。

また、提出して終わりではなく、受け入れ後の支援の実施や記録、届出まで含めて、継続的に取り組む必要があります。

不明点があれば、書類を作り込む前の段階で専門家に相談し、方向性を確認しておくことで、手戻りのリスクを減らせます。

特定技能の受け入れや支援計画書の作成でお悩みの方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。
 

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※本ページは行政書士ダイセイ法務事務所のスタッフによる「ブログ」を掲載しております。日々の思いから専門知識、業界用語、内部事情など「中の人」しか知らないここだけの情報を「簡潔に」発信しております。ぜひご参考にしてください。

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