【政策】ビザ・査証・在留資格の違いとは 手数料値上げの最新情報とあわせて解説【時事】
2026/06/23
外国人の入国や在留に関する手続きをめぐり、政府が査証(いわゆるビザ)にかかる手数料を見直す方針を固めたという報道がありました。
一回の入国に限り認められる査証の手数料が現行の三千円から一万五千円へ、複数回の入国が可能な査証については六千円から三万円へと改定される見通しで、改定は七月以降の申請分から適用されるとのことです。
このような手数料の見直しは数十年ぶりとされており、背景には近年の物価動向があるとの説明がなされています。
このニュースをきっかけに、そもそも「ビザ」とは何なのか、「査証」や「在留資格」とはどう違うのか、という疑問を持たれた方も多いのではないでしょうか。
実は、日常的に使われている「ビザ」という言葉は、法律上の正式な用語ではありません。
そこで今回は、ビザ、査証、在留資格という三つの言葉の違いを整理しながら、今回の手数料改定がもたらす影響についても考えてみたいと思います。
外国籍の方を雇用する企業のご担当者様、外国人ご本人、またそのご家族の方にとっても、知っておいて損のない内容になっておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
そもそも「ビザ」とは何なのか
まず大前提として、「ビザ」という言葉は法律上に存在する正式な用語ではありません。
日常会話やニュース報道などで広く使われている通称であり、多くの場合は「査証」を指す言葉として使われています。
ところが実際には、「在留資格」のことを指して「ビザ」と呼んでいるケースも非常に多く見られます。
厳密にいえば、これは誤用にあたります。
しかし、社会一般においては区別なく使われていることが多いため、混同が生まれやすい状況になっているのです。
この記事では、便宜上「ビザ」という言葉が出てきた場合には「査証」もしくは「在留資格」のどちらを指しているのか、文脈に応じて整理しながら解説していきます。
普段あまり意識せずに使っている言葉ほど、いざ正確な意味を問われると答えに詰まってしまうことがあります。
特に外国籍の方を雇用する場面や、ご家族で在留資格の手続きを検討する場面では、言葉の意味を取り違えてしまうと、必要な手続きそのものを見誤ってしまう恐れもあります。
そのため、まずは基本となる言葉の整理から始めていきましょう。
査証とは何か
査証とは、外国人が日本に渡航し、入国するために必要となる許可のことを指します。
これは入国の前段階で必要となるものであり、外国人本人が、自身の本国にある日本の大使館や総領事館などの窓口で申請を行うことが一般的です。
査証を管轄しているのは外務省です。
なお、すべての国籍の方が査証の取得を必要とするわけではありません。
国によっては、短期の観光や商用目的であれば査証の取得が免除される「査証免除措置」が取られている場合があります。
一方で、そうした措置が取られていない国の方は、事前に査証を取得しなければ日本への入国が認められません。
査証免除措置が取られているかどうかは国籍によって異なり、外務省のウェブサイトなどで最新の情報を確認することができます。
なお、査証免除措置が取られている場合であっても、それは短期間の滞在を前提とした措置であることが多く、就労や長期の滞在を目的とする場合には、別途在留資格にもとづく手続きが必要になります。
つまり査証とは、いわば「日本に向けて出発してもよい」ということを示す、入国前の許可証のような役割を持つものといえます。
査証の申請にあたっては、渡航の目的や滞在予定期間に応じて、必要となる書類が異なる点にも注意が必要です。
在留資格とは何か
これに対して在留資格とは、外国人が日本国内に滞在するために必要となる資格のことを指します。
在留資格を管轄しているのは法務省です。
在留資格には非常に多くの種類があり、就労を目的としたもの、留学を目的としたもの、家族との同居を目的としたものなど、目的や状況に応じて細かく区分されています。
外国人が日本に滞在するためには、原則としていずれかの在留資格を有していなければなりません。
在留資格がなければ、たとえ一度入国できたとしても、日本国内に滞在を続けることはできない仕組みになっています。
また、それぞれの在留資格には在留期間が定められており、期間の満了が近づいた場合には、更新の手続きを行う必要があります。
さらに、結婚や離婚、就職や離職など、生活の状況に変化があった場合には、在留資格そのものを変更する手続きが必要になることもあります。
こうした手続きを怠ってしまうと、知らないうちに在留期間が切れてしまうなど、思いがけないトラブルにつながる可能性もあるため、注意が必要です。
査証が「入国するための許可」であるのに対して、在留資格は「滞在を続けるための資格」であるという点が、両者の大きな違いといえるでしょう。
ビザ、査証、在留資格の関係を整理する
ここまでの内容を踏まえて、三つの言葉の関係を簡単に整理してみます。
・査証は渡航と入国のために必要なものであり、管轄は外務省である
・査証は外国人本人が本国の日本大使館などで申請する
・査証には免除国と非免除国が存在する
・在留資格は日本国内に滞在するための資格であり、管轄は法務省である
・在留資格には多くの種類があり、目的に応じて区分されている
・外国人は原則としていずれかの在留資格を有していなければ日本に滞在できない
・ビザは法律上の用語ではなく、査証や在留資格を指す通称として使われている
このように整理すると、入国の場面で必要となるのが査証であり、その後の滞在の場面で必要となるのが在留資格であるという流れが見えてくるのではないでしょうか。
今回の手数料改定について
報道によれば、今回の改定では一回限り入国できる査証の手数料が三千円から一万五千円へと引き上げられます。
また、複数回の入国が認められる査証については、六千円から三万円へと引き上げられる見通しです。
この改定は、七月一日以降に申請される分から適用されるとされています。
手数料の見直しが行われるのは数十年ぶりとのことで、その背景には近年の物価上昇があるとの説明がなされています。
なお、今回の改定はあくまで査証にかかる手数料の話であり、在留資格の申請にかかる手数料とは別の話である点には注意が必要です。
手数料の値上げによって今後どうなるのか
手数料が大幅に引き上げられることで、今後どのような変化が起こりうるのか、いくつかの観点から考えてみます。
・引き上げ後の金額自体は、訪日を計画する方にとって決して高すぎる金額とは言い切れないという見方もあります
・とはいえ、これまでより大きな金額になることで、渡航を検討する際の心理的なハードルが多少上がる可能性は考えられます
・短期の観光目的の入国者数に、何らかの影響が出る可能性も否定できません
・一方で、国としての収入は一定程度増加することが見込まれます
このほかにも、企業の出張や研修などで頻繁に来日が予定されている場合には、複数回入国できる査証の手数料が大きく引き上げられる点が、事前のコスト計算に影響を与える可能性も考えられます。
観光目的だけでなく、商用目的での渡航を計画している企業にとっても、今回の改定は無関係とは言い切れない内容といえそうです。
実際にどの程度の影響が出るのかについては、今後の動向を見ていく必要がありますが、手続きを行う側としては、申請のタイミングや必要な金額について、事前にしっかりと把握しておくことが大切です。
特に、七月一日という適用開始日が決まっている以上、それより前に申請を済ませておきたいと考える方も一定数出てくるかもしれません。
ただし、申請のタイミングを急ぐあまり、必要な書類に不備が生じてしまうと、結果的に手続きが滞ってしまう可能性もありますので、慌てずに準備を進めることが望ましいでしょう。
手続きに不安がある場合は専門家への相談も
ビザ、査証、在留資格といった言葉は似ているようでいて、それぞれ管轄も役割も異なります。
特に在留資格については種類が多く、状況によって必要な手続きが大きく変わってくるため、ご自身やご家族の状況に合った在留資格を見極めることが重要です。
また、就労や留学、家族との同居など、目的に応じて提出すべき書類や審査の基準も異なってきます。
手続きを誤ってしまうと、思わぬ形で在留が認められなかったり、手続きに時間がかかってしまったりすることもあります。
こうした手続きに不安や疑問がある場合には、行政書士などの専門家に相談することも一つの有効な選択肢です。
専門家に相談することで、ご自身の状況に合った在留資格の選択や、必要な書類の準備について、的確なアドバイスを受けることができます。
また、申請から許可が下りるまでには一定の期間を要することが多いため、余裕を持ったスケジュールで準備を進めることも重要なポイントです。
特に、在留期間の更新や在留資格の変更を予定している場合には、期限が近づいてから慌てて動き出すのではなく、早い段階から準備を始めておくことで、トラブルを未然に防ぐことにつながります。
よくある質問(Q&A)
ビザと在留資格は同じものですか
いいえ、厳密には異なるものです。ビザという言葉は法律上の用語ではなく、多くの場合は査証を指しますが、在留資格を指して使われることもあります。査証は入国のための許可であり、在留資格は滞在を続けるための資格という点で役割が異なります。
今回の手数料改定はすべての国籍の方に適用されますか
査証免除措置が取られている国籍の方については、もともと査証の取得自体が不要であるため、今回の手数料改定の影響を直接受けることはありません。一方で、査証の取得が必要な国籍の方については、改定後の手数料が適用されることになります。
在留資格の手続きも今回値上げの対象になりますか
今回報道されている手数料改定は、査証にかかる手数料についてのものです。在留資格の申請に関する手数料については、別の制度にもとづくものであり、今回の改定と直接結びつくものではありません。
手続きについて専門家に相談するタイミングはいつがよいですか
在留資格の変更や更新、新規の申請を検討し始めた時点で、できるだけ早めに相談することをおすすめします。早い段階で相談することで、必要な書類の準備や審査までの見通しを立てやすくなります。
まとめ
今回は、査証の手数料改定の報道をきっかけに、ビザ、査証、在留資格という三つの言葉の違いについて整理してご紹介しました。
査証は入国のための許可であり外務省が管轄していること、在留資格は滞在を続けるための資格であり法務省が管轄していることなど、それぞれの役割の違いを押さえておくことで、手続きの全体像がより分かりやすくなるはずです。
今回の手数料改定によって、渡航や入国を取り巻く状況に多少の変化が生じる可能性もありますが、いずれにしても正確な情報を踏まえて、落ち着いて手続きを進めていくことが大切です。
言葉の意味を正しく理解しておくことは、手続きの第一歩でもあります。
ビザという通称にとらわれず、査証と在留資格それぞれの役割を理解しておくことで、今後ご自身やご家族、あるいは職場で外国籍の方の手続きに関わる場面があった際にも、落ち着いて対応できるはずです。
ビザや在留資格に関する手続きでお困りの際は、無理に一人で進めようとせず、専門家への相談も検討してみてはいかがでしょうか。
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