【国籍】アメリカ市民権を取得すると日本国籍はどうなるのか 国籍喪失と配偶者ビザの注意点を解説【市民権】

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【国籍】アメリカ市民権を取得すると日本国籍はどうなるのか 国籍喪失と配偶者ビザの注意点を解説【市民権】

【国籍】アメリカ市民権を取得すると日本国籍はどうなるのか 国籍喪失と配偶者ビザの注意点を解説【市民権】

2026/06/24

国際結婚や海外赴任、海外移住などをきっかけに、アメリカ市民権の取得を検討する方が増えています。

その一方で、アメリカ市民権を取得した場合に日本国籍がどうなるのか、また、その後の在留資格(ビザ)の手続きにどのような影響があるのかについては、正確に理解されていないケースが少なくありません。

特に、知らず知らずのうちに日本のパスポートを使い続けてしまい、後から大きな問題に発展してしまう事例も見られます。

今回は、アメリカ市民権の取得による日本国籍喪失の仕組みと、その後の在留資格申請における注意点について、分かりやすく整理してご紹介します。

将来的に日本への帰国や移住を考えている方、配偶者が日本国籍であるご家庭にとって、特に参考にしていただける内容です。

アメリカ市民権とアメリカ国籍は同じ意味

まず前提として、アメリカにおいては、アメリカ市民権とアメリカ国籍は実質的に同じ身分を指します。

市民権という言葉と国籍という言葉は、国によって法的なニュアンスが異なる場合がありますが、アメリカでは両者を区別して考える必要はありません。

アメリカ市民権を持つ人には、次のような権利と義務が与えられます。

・アメリカのパスポートを取得できる

・アメリカ国内での選挙権を持つ

・公職への就任や陪審員への参加が可能になる

・一定の条件のもとで、海外にいても納税の義務を負う

なお、よく混同されやすいものとして、永住権(グリーンカード)があります。

永住権はアメリカに永久に住み、働く権利を外国人に与えるものですが、国籍やパスポートは元の国のままです。

つまり、永住権を持つだけであれば日本国籍に影響はありませんが、市民権を取得すると話が変わってきます。

成人が自分の意志で外国籍を取得すると、日本国籍は自動的に失われる

日本の国籍法第11条第1項には、次のように規定されています。

日本国民は、自己の志望によって外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う。

つまり、成人した日本人が自らの意志でアメリカ市民権を申請して取得した場合、その瞬間に日本国籍は自動的に喪失します。

ここで重要なのは、この国籍喪失が届出によって発生するものではないという点です。

国籍喪失届を提出していない状態や、日本の戸籍に名前が残っている状態であっても、市民権を取得した時点で法律上はすでに日本国籍を失っています。

戸籍はあくまで日本国籍がある人の身分を記録しておく帳簿に過ぎず、国籍そのものの有無を決めるものではありません。

このため、市民権取得後に国籍喪失届を提出する作業は、国籍をなくす手続きではなく、すでに過去の時点で失われていた事実を、戸籍に反映して閉鎖する手続きということになります。

なお、出生地主義の国で生まれた場合や国際結婚の家庭に生まれた場合など、本人の意志に関係なく生まれながらに複数の国籍を持つケースは別の扱いとなり、二重国籍が生じる場合もあります。

しかし、成人が自分の意志で他国籍を申請して取得した場合は、二重国籍にはならず、必ず日本国籍を失うことになります。

国籍喪失届の提出義務と必要書類

アメリカ市民権を取得した本人は、その事実を知った日から3ヶ月以内に、在米日本大使館や総領事館、または日本国内の市区町村役場へ国籍喪失届を提出する義務があります。

提出に必要な主な書類は、次のとおりです。

・国籍喪失届書

・アメリカ政府発行の帰化証明書の原本

・帰化証明書の和訳文

・日本のパスポート

なお、最新の必要書類や提出方法については、在アメリカ合衆国日本国大使館の公式ウェブサイトで確認することをお勧めします。

知らずに日本のパスポートを使ってしまった場合の問題点

ここで注意したいのが、国籍喪失届の提出義務を知らないまま、日本のパスポートを新たに取得したり、使用し続けたりしてしまうケースです。

悪気がなかったとしても、法律上は重大な問題に発展する可能性があります。

具体的には、次のようなリスクが考えられます。

・旅券法違反(虚偽申請) すでに日本国籍を失っているにもかかわらず、外国籍の有無について偽って日本のパスポートを申請すると、旅券法上の虚偽申請にあたるおそれがあります。

・出入国管理法違反 実質的に無効な日本のパスポートを使って出入国した場合、外国人による不法入国とみなされるおそれがあります。後から市民権の取得日が判明した時点で、過去の出入国がすべて遡って問題視される可能性もあります。

・戸籍に関する不実記載 国籍喪失を隠したまま婚姻届や出生届などの手続きを行うと、事実に基づかない申請として問われるリスクがあります。

このように、知らなかったという事情だけでは、違法性そのものが帳消しになるわけではありません。

そのため、もし思い当たる事情がある場合は、できるだけ早く正しい手続きに切り替えることが重要です。

入管や法務局はどうやって把握するのか

日米間で個人の国籍変更データを自動的に共有する仕組みはなく、本人が何も手続きをしなければ、入管や法務局がリアルタイムにアメリカ市民権の取得を把握することはできません。

しかし、多くの場合、別の手続きの過程で発覚することになります。

代表的な発覚のタイミングは次のとおりです。

・アメリカのパスポートで日本に入国した際、過去に日本国籍を持っていた人物として記録上のフラグが立ち、調査が行われる場合

・日本のパスポートを更新する際、現地での在留資格の証明を求められ、提示できないことで発覚する場合

・日本国内での相続手続きや年金の手続きにおいて、現在の国籍を証明する必要が生じ、発覚する場合

・市区町村役場の窓口で気づかれ、法務局や入管へ情報共有が行われる場合

つまり、取得した直後に発覚しなくても、出入国や各種の行政手続きを行うたびに矛盾が生じやすく、結果として国籍喪失の事実が判明する仕組みになっています。

実際に発覚した場合は、単なる注意で済むものではなく、別室での事情確認や、日本パスポートの失効処理、外国人としての入国手続きへの切り替えなどが行われることになります。

悪意があると判断された場合には、刑事告発に発展するおそれもあるため、早めの自主的な対応が望ましいといえます。

リカバリーの具体的な手順

すでに市民権を取得しているにもかかわらず、日本のパスポートで滞在を続けてしまっている場合は、自発的に、できるだけ早く正しい状態へ修正することが大切です。

具体的な手順は、おおむね次のような流れになります。

・市区町村役場や法務局への相談 まずは住民票がある役所の戸籍課、または法務局の国籍課に連絡し、市民権を取得した時期や、国籍法を知らずに日本のパスポートで入国してしまった事情を正直に説明します。

・国籍喪失届の提出 帰化証明書の原本と和訳文を添えて、遅れていた国籍喪失届を提出します。これにより、戸籍が正式に閉鎖されます。

・出入国記録の是正手続き 入管において、日本人としてではなく、本来の国籍に基づく外国人として入国していたという正しい記録へ修正してもらう手続きを行います。

なお、是正手続きとは、事実そのものを書き換えるものではなく、入管のデータベース上の記録を、正しい身分に基づく内容へ整理し直す措置です。

過去に誤って使用してしまった日本のパスポートについては、無効である旨のスタンプが押されたり、物理的に使用できない状態にされたりすることがあります。

アメリカに滞在している場合は、まずは管轄の在米日本大使館や総領事館へ相談するのが基本的な流れです。

国籍喪失届の提出と合わせてパスポート誤用の経緯を説明すれば、領事館から外務省を経由して、法務省や入管へ情報が伝達される仕組みになっています。

最終的なデータの修正は日本国内で行われるため、相談時に受け取った控えや証明書は、必ず保管しておくことをお勧めします。

元日本人が日本に長期滞在するための在留資格

アメリカ市民権を取得して日本国籍を失った後も、元日本人であれば、他の外国人と比べて有利な条件で日本に長期滞在できる在留資格が用意されています。

代表的なものは次のとおりです。

・日本人の配偶者等 配偶者が日本国籍であるケースに加え、自分自身が元日本人として出生した者であるケースも対象になります。就労制限がなく、永住権の取得までの期間も短縮される優遇があります。

・定住者 かつて日本国民として出生した者という条件に該当する場合に対象となる在留資格です。就労制限がない点は配偶者等と同様です。

このうち、配偶者が日本国籍であり、自身も元日本人であるという条件がそろう場合は、日本人の配偶者等の在留資格が第一の選択肢になるケースが多いといえます。

過去のパスポート誤用は在留資格審査にどう影響するか

ここで気になるのが、過去に日本のパスポートを誤って使用してしまった経緯が、配偶者等の在留資格審査にどのような影響を与えるかという点です。

入管が在留資格を審査する際には、素行が善良であるかどうか、つまり日本の法律を遵守しているかどうかが重視されます。

そのため、過去に旅券法違反や出入国管理法違反にあたる事実があったこと自体は、審査上のマイナス材料になり得ます。

何の説明もないまま申請を行うと、市民権の取得日と日本のパスポートの使用時期に矛盾が生じ、悪質な行為とみなされて不許可になるリスクが高まります。

一方で、次のような対応を申請前に丁寧に行うことで、不許可のリスクを抑えることが可能です。

・申請前に国籍喪失届と出入国記録の是正手続きを完了させること

・なぜパスポートを誤用してしまったのかという経緯と、気づいた後に自発的に是正を行った事実を記した理由書を添付すること

・配偶者の経済力や住居など、日本での生活基盤が整っていることを示す資料をそろえること

過去の事実そのものを消すことはできませんが、知らずに誤ってしまったことを隠さず、気づいた段階で自ら名乗り出て、すべての手続きを正しくやり直したという姿勢を書類で示すことができれば、誠実な対応として評価されやすくなります。

元日本人であること、配偶者が日本国籍であること、生活基盤が整っていることなどの事情も合わせて考慮され、許可に至るケースは少なくありません。

まとめ

アメリカ市民権を自らの意志で取得した場合、日本国籍は届出の有無にかかわらず、その時点で自動的に失われます。

知らずに日本のパスポートを使い続けてしまうと、旅券法違反や出入国管理法違反にあたるおそれがあり、発覚した際には厳しい対応を受けることになります。

もし思い当たる事情がある場合は、できるだけ早く大使館や領事館、または国内の役所や入管に相談し、国籍喪失届の提出と出入国記録の是正を進めることが大切です。

その上で、日本人の配偶者等などの在留資格を申請する際には、経緯を説明する理由書や生活基盤を示す資料を整えることで、許可の可能性を高めることができます。

国籍や在留資格に関する手続きは、個別の事情によって必要な対応が大きく異なります。

ご自身やご家族の状況に応じた具体的な進め方について不安がある場合は、早い段階で行政書士などの専門家に相談し、見通しを立てておくことをお勧めします。

Q&Aコーナー

アメリカ市民権を取得すると、必ず日本国籍を失うのですか

成人した日本人が自らの意志で他国籍を申請して取得した場合は、日本の国籍法第11条第1項により、その時点で自動的に日本国籍を失います。届出をしていない、または戸籍が残っていることとは関係がありません。

国籍喪失届を出していなければ、まだ日本国籍があると考えてよいのですか

そのようにはなりません。国籍喪失届はすでに失われていた事実を戸籍に反映して閉鎖する手続きであり、届出の有無によって国籍の有無が決まるものではありません。

知らずに日本のパスポートを使って入国してしまった場合、どうすればよいですか

できるだけ早く、住民票のある役所や法務局、または海外であれば大使館や総領事館に事情を説明し、国籍喪失届の提出と出入国記録の是正手続きを進めることをお勧めします。自発的に名乗り出ることで、悪質性がないと判断されやすくなります。

過去のパスポート誤用があると、配偶者等の在留資格は必ず不許可になりますか

必ず不許可になるわけではありません。経緯を隠さず説明する理由書を添付し、是正手続きを完了させたうえで、生活基盤が整っていることを示すことができれば、許可に至るケースも多くあります。

元日本人として、日本に長期滞在するための在留資格にはどのようなものがありますか

代表的なものとして、日本人の配偶者等や、かつて日本国民として出生した者を対象とする定住者があります。いずれも就労制限がなく、永住権の取得においても優遇措置が設けられています。

国籍や在留資格に関する手続きは複雑で、個別の事情によって最適な進め方が異なります。

ご自身の状況に合わせた具体的な対応を確認したい場合は、行政書士など専門家への相談をご検討ください。

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※本ページは行政書士ダイセイ法務事務所のスタッフによる「ブログ」を掲載しております。日々の思いから専門知識、業界用語、内部事情など「中の人」しか知らないここだけの情報を「簡潔に」発信しております。ぜひご参考にしてください。

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