【相続】戸籍の附票とは 相続手続と法定相続情報一覧図の解説【戸籍】

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【相続】戸籍の附票とは 相続手続と法定相続情報一覧図の解説【戸籍】

【相続】戸籍の附票とは 相続手続と法定相続情報一覧図の解説【戸籍】

2026/06/20

戸籍の附票とは 法定相続情報一覧図を作成する際の使い方を解説

相続の手続きを進めていると、戸籍謄本や住民票だけでは話が前に進まない場面に出会うことがあります。

その代表例が、不動産の名義変更をしようとしたときに、登記簿に載っている住所と、亡くなった方の最後の住所が一致しないというケースです。

このようなとき、解決の鍵になるのが「戸籍の附票」という書類です。

あわせて、複数の銀行や法務局での手続きが必要な場合に役立つ「法定相続情報一覧図」についても、よく似た書類である「相続関係説明図」との違いが分かりにくいという声をよく耳にします。

この記事では、戸籍の附票の基本的な内容と相続手続きでの活用方法、そして法定相続情報一覧図と相続関係説明図の違いについて、実務の視点から分かりやすく整理してご説明します。

戸籍の附票とは何か

まず大前提として、「住民票の附票」という名称の書類は存在しません。

正式名称は「戸籍の附票(こせきのふひょう)」です。混同しやすい名称ですので、役所で書類を請求する際には正しい名称を使うようにしましょう。

戸籍の附票とは、その戸籍が作られてから現在に至るまでの住所の移転履歴を記録した書類のことです。

住民票が「今、どこに住んでいるか」を証明する書類であるのに対し、戸籍の附票は「過去から現在までの住所のつながり」を証明できる点が大きな特徴です。

同じ戸籍に入っている間に何度も引っ越しをしていても、その移転の経緯がすべて一枚の書類にまとめて記載されます。

戸籍の附票に記載されている内容

戸籍の附票には、主に次のような情報が記録されています。

・住所の異動履歴(その戸籍に入ってから除籍されるまでの、すべての住所と住所を定めた年月日)

・氏名

・本籍および筆頭者(自治体によっては記載を省略できる場合があります)

・生年月日および性別

このように、住所の変遷を中心にまとめられた書類であるため、複数回の引っ越しを経た方の住所のつながりを示すのに非常に役立ちます。

なぜ住所のつながりの証明が必要なのか

そもそも、なぜ相続の場面で住所のつながりをわざわざ証明しなければならないのでしょうか。

不動産の登記簿や自動車の車検証には、所有者の氏名と住所が記載されています。この住所は登録した時点のものがそのまま残り続けるため、引っ越しをしても自動的には更新されません。

そのため、亡くなった方が生前に何度か引っ越しをしていた場合、登記簿上の住所と、亡くなったときの実際の住所(最後の住所)が異なってしまうことが珍しくありません。

法務局や陸運局などの行政機関は、書類上の人物と、いま手続きの対象になっている人物が本当に同一人物であるかを、氏名だけでなく住所の記録によっても確認しています。

そこで、住所の移り変わりを一枚でつなげて証明できる戸籍の附票が、本人確認のための重要な役割を担うことになります。

相続手続きにおける戸籍の附票の活用法

相続の場面で戸籍の附票が必要になる典型的なケースは、亡くなった方の最後の住所と、不動産登記簿などに記載されている住所が一致していないときです。

具体的な活用例を見てみましょう。

活用例1 不動産の相続登記(名義変更)

亡くなった方が所有していた土地や建物の名義を相続人に変更する際、法務局へ相続登記を申請します。

この際、不動産登記簿に記載された住所が古いままで、亡くなったときの住所と一致しないという問題がよく発生します。

そこで戸籍の附票を取得することで、登記簿上の古い住所から亡くなったときの住所までの引っ越しの履歴が一本につながり、同一人物であることを証明できるようになります。

活用例2 自動車の名義変更

自動車の車検証に記載された住所が古いままで所有者が亡くなった場合も、同じように住所のつながりを証明するために戸籍の附票の提出が求められることがあります。

活用例3 相続人自身の住所証明

戸籍の附票は現在の住所証明としても利用できるため、相続人本人の住民票の代わりとして提出できる場合もあります。手続き先によって取り扱いが異なりますので、事前の確認をおすすめします。

活用例4 相続人の調査

相続人の中に、長年連絡を取っていない方や、結婚や転居によって離れて暮らすようになった方がいる場合、戸籍の附票は現在の住所を確認する手がかりとしても利用されます。

戸籍は本籍地の役所が管理しているため、住んでいる場所が変わっても、本籍地をたどることで現在の住所につながる記録を確認できる仕組みになっています。相続人の人数が多い場合や、長期間にわたって連絡が取れていないご親族がいる場合は、専門家に調査を依頼することで、漏れのない正確な相続人の確定につなげやすくなります。

戸籍の附票を取得する際の注意点

戸籍の附票を取得する際には、いくつか気をつけておきたい点があります。

・請求先は本籍地の役所です。住民票のように住んでいる場所の役所ではなく、本籍を置いている市区町村役場へ請求します。遠方に本籍がある場合は、郵送請求やマイナンバーカードを利用したコンビニ交付などの方法も検討できます。

・途中で本籍地を変更(転籍)している場合、新しい本籍地で作られた附票には、その時点以降の住所しか記載されません。それより前の住所を確認したいときは、転籍前の本籍地から除附票を取り寄せる必要があります。

・保存期間の問題により、古い附票がすでに廃棄されていて取得できない場合があります。法改正によって保存期間は延長されましたが、それ以前に除籍となっている附票については注意が必要です。

これらの事情から、相続関係が複雑なケースや、本籍地の変更を何度も経験している方の調査では、思いのほか時間がかかることがあります。早めに専門家へ相談することで、手続き全体をスムーズに進めやすくなります。

法定相続情報一覧図とは何か

相続手続きが進み、複数の提出先に書類を出す必要が出てくると、次に話題になるのが「法定相続情報一覧図」と「相続関係説明図」です。

この二つは、いずれも亡くなった方と相続人の関係を家系図のような形で示す書類ですが、決定的な違いがあります。それは、国の機関である法務局が証明した公的な書類であるか、個人が作成した私的な書類であるかという点です。

法定相続情報一覧図の定義と位置づけ

法定相続情報一覧図とは、相続人が作成した家系図をもとに、法務局の登記官が内容を確認し、正しい相続関係であることを公式に証明した書類です。

これは法律上の正式な制度に基づくもので、不動産登記規則に定められた法定相続情報証明制度によって運用されています。

相続関係説明図の定義と位置づけ

相続関係説明図とは、不動産の相続登記などを行う際に、相続人や手続きの代理人が作成する独自の家系図のことです。

法律の条文に直接定められた用語ではありませんが、登記実務の中で広く使われている表現であり、法務局の通達や申請書の記載例にも登場するため、実務上定着した専門的な呼び方といえます。

作成段階と提出先の違い

二つの書類は、作成するタイミングと提出先という観点で整理すると分かりやすくなります。

・相続関係説明図は、戸籍謄本一式をすべて集めたあとに、最初に手元で作成する書類です。これ自体には国の証明は付いていません。

・法定相続情報一覧図は、集めた戸籍謄本一式とあわせて法務局に提出し、認証を受けて初めて完成する書類です。

提出先についても違いがあります。

・相続関係説明図は、主に法務局での不動産登記の際に使われ、一部の銀行でも利用できる場合があります。ただしこの場合、戸籍謄本一式を一時的に提出し、登記完了後に返却してもらうための添付資料として使うのが基本です。

・法定相続情報一覧図は、法務局はもちろん、銀行、税務署、証券会社など、あらゆる提出先で利用できます。法務局がすでに内容を保証しているため、戸籍謄本の束を何度も持ち歩く必要がなくなり、一枚で手続きを進められるという大きな利点があります。

なお、法定相続情報一覧図は法務局で何枚でも無料で再発行してもらえるため、複数の窓口で同時に手続きを進めたい場合に特に重宝します。

法定相続情報一覧図ができた背景

この制度は、相続登記がなかなか進まず、所有者の分からない不動産が増えてしまうという社会的な課題を背景に整備されました。

従来は、相続人が銀行や法務局などの窓口ごとに戸籍謄本一式を提出し、確認が終わるまで返却を待つという作業を、提出先の数だけ繰り返す必要がありました。

これでは手続きに時間がかかり、結果として不動産の名義変更が後回しにされ、空き家や所有者不明の土地が増える一因になっていたという指摘があります。

そこで、法務局が一度だけ戸籍関係をまとめて確認し、その内容を一覧図として証明することで、相続人がどの窓口にも同じ一枚を提出できるようにする仕組みが作られました。これにより、相続人の手間が減るだけでなく、不動産の名義変更が進みやすくなる効果も期待されています。

どちらを準備すべきか 判断の目安

実際の手続きでどちらを用意すればよいか迷う方も多いため、判断の目安を整理します。

・実家の不動産の名義変更のみを行う場合は、相続関係説明図を作成して戸籍一式とともに法務局へ提出すれば十分な場合が多いです。

・複数の銀行や証券会社、税務署など、提出先が多岐にわたる場合は、法定相続情報一覧図を法務局で複数枚発行してもらう方法が効率的です。各窓口に戸籍の束を提出して返却を待つという手間を省き、複数の手続きを並行して進められるようになります。

相続財産の内容や提出先の数によって最適な方法は異なりますので、迷ったときは早めに専門家へ相談することをおすすめします。

よくある質問

戸籍の附票と住民票は何が違うのですか

住民票は現在の住所を証明する書類です。これに対して戸籍の附票は、その戸籍が作られてから現在までの住所の移転履歴をまとめて証明できる書類です。過去から現在までの住所のつながりを示したいときに役立ちます。

戸籍の附票はどこで取得できますか

戸籍の附票は、本籍を置いている市区町村役場で取得します。住んでいる場所の役所ではない点に注意が必要です。遠方の場合は郵送請求や、マイナンバーカードを利用したコンビニ交付が利用できる場合があります。

転籍をしている場合、古い住所の附票はどうすれば取得できますか

転籍をしている場合、新しい本籍地で作られた附票にはその時点以降の住所しか記載されません。それより前の住所を確認したいときは、転籍前の本籍地に除附票を請求する必要があります。

法定相続情報一覧図と相続関係説明図はどちらを作成すればよいですか

不動産の名義変更のみであれば相続関係説明図で対応できる場合が多いです。一方、複数の金融機関や税務署などへの提出が必要な場合は、法務局で発行できる法定相続情報一覧図のほうが効率的です。

法定相続情報一覧図の発行に費用はかかりますか

法務局での法定相続情報一覧図の発行自体は無料です。何枚でも再発行してもらえるため、複数の提出先がある場合でも費用面の負担を抑えられます。

戸籍の附票だけで相続人の現在の住所まで分かりますか

本籍地が分かっていれば、戸籍の附票をたどることで現在の住所の手がかりが見つかる場合があります。ただし、転籍を重ねている場合や、相続関係が複雑な場合は、複数の役所をまたいで確認する必要があり、調査に時間がかかることもあります。確実に進めたい場合は専門家への相談をおすすめします。

法定相続情報一覧図の作成にはどのくらいの期間がかかりますか

戸籍謄本一式の収集状況や法務局の混雑状況によって異なりますが、必要な戸籍がすべて揃ってから法務局へ申出を行い、認証を受けるまでに一定の期間を要します。早めに準備を始めることで、その後の各種手続きをスムーズに進めやすくなります。

まとめ

戸籍の附票は、住所の移転履歴を一本につなげて証明できる書類であり、不動産登記簿上の古い住所と亡くなった方の最後の住所が一致しないときなど、相続手続きのさまざまな場面で重要な役割を果たします。

また、法定相続情報一覧図と相続関係説明図は似ているようでいて、公的な証明があるかどうかという点で大きく異なります。提出先の数や手続きの内容によって、どちらを準備すべきかは変わってきます。

戸籍の収集や附票の取得、法定相続情報一覧図の作成は、本籍地の変遷や相続人の数によって思いのほか手間がかかることがあります。書類の取り寄せ先が分からない、何から手をつければよいか分からないという場合は、無理に自分だけで進めようとせず、早い段階で専門家に相談することをおすすめします。

相続手続きに関するご相談やお見積りについては、お気軽にお問い合わせください。ご状況に応じた最適な進め方をご案内いたします。

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※本ページは行政書士ダイセイ法務事務所のスタッフによる「ブログ」を掲載しております。日々の思いから専門知識、業界用語、内部事情など「中の人」しか知らないここだけの情報を「簡潔に」発信しております。ぜひご参考にしてください。

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