【顔写真】在留カードに子どもの顔写真が表示される、令和8年6月14日施行の改正在留管理制度を解説【ビザ】
2026/06/19
在留カードに子どもの顔写真が表示される、令和8年6月14日施行の改正在留管理制度を行政書士が解説
在留カードや特別永住者証明書について、令和8年6月14日から大きな制度変更が始まります。
これまで16歳未満の方については、在留カード等に顔写真が表示されない取り扱いが続いていましたが、今回の法改正によって、約14年ぶりにこの運用が見直されることになりました。
外国人の方を雇用している企業の担当者の方や、ご家族で在留資格をお持ちの方にとっては、知っておくべき重要な内容です。
この記事では、在留カードの顔写真表示制度がどのように変わるのか、対象となる年齢や施行日前後の取り扱い、新様式の在留カード全体の変更点まで、行政書士の視点でわかりやすく整理してお伝えします。
なぜ今、在留カードの顔写真表示が見直されるのか
そもそも、在留カードに顔写真が表示されない取り扱いが始まったのは、平成24年7月9日のことです。
このとき、外国人登録法が廃止され、新たに在留カードおよび特別永住者証明書による在留管理制度がスタートしました。
その際、16歳未満の方については「容貌の変化が著しい」という理由から、顔写真の提出および券面への表示が不要とされたという経緯があります。
それより前の外国人登録証明書の時代には、16歳未満であっても顔写真を提出して申請する仕組みでしたので、世代によっては「子どもの頃に写真を貼って申請した記憶がある」という方もいらっしゃるかもしれません。
それから約14年が経過し、今回の出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律により、再び1歳以上16歳未満の方の顔写真が在留カード等に表示されることになりました。
この変更は、マイナンバーカードと同様の取り扱いに統一する流れの一環とされています。
身分証明の精度を高めるとともに、本人確認の実効性を担保する目的があると考えられます。
在留カードは、日本に中長期間在留する外国人の方にとって、身分証明書としても本人確認書類としても日常的に使われる重要なカードです。
銀行口座の開設や賃貸契約、医療機関での受診、行政サービスの利用など、さまざまな場面で提示を求められるため、その様式が変わるということは、外国人本人だけでなく、ご家族や雇用主にとっても影響の大きい話題といえます。
特に小さなお子様がいるご家庭では、進学や転居、保護者の在留資格変更にあわせて、お子様自身の在留カードの更新手続きが発生する場面も少なくありません。
そうしたタイミングが今回の制度変更の施行日と重なる可能性もあるため、早めに情報を把握しておくことが望ましいといえます。
何がどう変わるのか、対象となる年齢を整理
今回の改正で押さえておきたいポイントを整理すると、次のとおりです。
・対象となるのは1歳以上16歳未満の方です
・1歳未満の方については、引き続き顔写真の表示は不要です
・令和8年6月14日以降に交付される在留カード等から、新しい様式に切り替わります
・同日より前に申請をした場合でも、交付が同日以降になると見込まれるときは、顔写真の提出を求められることがあります
特に最後の点は実務上注意が必要です。
たとえばお子様の在留期間更新の申請を6月上旬に行ったとしても、交付のタイミングが6月14日以降にずれ込む場合には、窓口から顔写真の提出を依頼される可能性があります。
申請を予定している方は、念のため顔写真を準備しておくと安心です。
なお、現行様式で交付済みの在留カード等は、有効期間内であればそのまま継続して使用できますので、すでにお持ちのカードを慌てて切り替える必要はありません。
在留カードの様式は他にも変わる、有効期間とICチップ化
今回の法改正では、顔写真の表示以外にも、在留カードの様式自体に大きな変更が加えられています。
有効期間の基準が16歳から18歳に変わる
特に影響が大きいのが、永住者および高度専門職2号の方の在留カードの有効期間に関するルールです。
現行制度では、有効期間は交付の日後7年とされており、16歳未満の方については16歳の誕生日の前日までという基準でした。
新様式では、この基準が「18歳未満」に変更され、有効期間の満了日も、18歳以上の方は交付の日後10回目の誕生日まで、18歳未満の方は交付の日後5回目の誕生日までとなります。
つまり、これまでの16歳という年齢区分が、18歳を基準とする区分へと変わるわけです。
さらに、これまで券面に記載されていた在留期間そのものや、許可の種類、許可年月日、交付年月日などの情報は、券面の表示からICチップへの記録に移行します。
券面表示からICチップ記録への移行
券面で確認できる情報が一部減るため、企業の人事や労務の担当者の方は、目視確認だけに頼らず、専用の読み取りアプリケーションなどを活用した確認方法への見直しが必要になってきます。
中長期在留者の方については、在留期間に定めがある場合、引き続き在留期限までという取り扱いに変更はありません。
マイナンバー一体型の特定在留カードも同時に運用開始
また、これらの新様式と並行して、マイナンバーカードと在留カードの機能を統合した特定在留カードの運用も、同じ令和8年6月14日から始まる予定です。
特定在留カードの取得は任意であり、希望しない場合は現行の在留カードをそのまま有効期限まで使用することができます。
申請窓口は、中長期在留者の方は地方出入国在留管理局または市区町村、特別永住者の方は市区町村のみとなっており、住居地届出などの在留関連手続きと同時に申請する必要がある点も覚えておきたいポイントです。
特定在留カードを取得すると、これまで別々に管理していたマイナンバーカードの機能と在留カードの機能が一枚にまとまるため、行政手続きの際に提示するカードが一つで済むという利便性があります。
一方で、紛失した場合の手続きが複雑になる可能性もあり、警察への遺失届の提出に加えて、マイナンバーカード機能の一時利用停止手続き、地方出入国在留管理局への届出など、複数の手続きを並行して行う必要が出てきます。
このため、特定在留カードを取得するかどうかは、日常生活でのカードの使用頻度や、紛失時のリスクをどの程度重視するかによって、世帯ごとに判断が分かれるところだと考えられます。
なお、特定在留カードを取得しない場合であっても、令和8年6月14日以降に新規や再交付で発行される在留カードは、自動的に新様式に切り替わります。
つまり、特定在留カードという選択をしなかったとしても、顔写真の表示や有効期間の基準といった様式変更そのものは、すべての方に適用される点は変わりません。
制度変更で実務上注意したいこと
今回の改正をふまえ、特に注意しておきたい点をいくつかご紹介します。
・お子様の在留カードの更新時期が令和8年6月前後に重なる場合は、顔写真の準備をしておくこと
・企業の担当者は、在留カードの券面確認だけに頼らない仕組みを社内で整えること
・永住者やお子様をお持ちの世帯では、有効期間の基準が16歳から18歳に変わる点を踏まえて、更新スケジュールを見直すこと
・特定在留カードへの切り替えは任意であるため、メリットとデメリットを比較したうえで判断すること
このように、制度の変わり目には例外的な取り扱いや過渡的なルールが多く発生しやすい傾向があります。
申請のタイミングや必要書類について不安がある場合は、自己判断で進めるよりも、専門家に相談したほうが結果的にスムーズに進むケースが少なくありません。
特に、永住申請や在留資格の更新、就労資格の変更など、複数の手続きが関わる場合には、書類の不備や提出タイミングのずれが許可の遅延につながることもあります。
たとえば、お子様の在留カードの更新と、保護者の在留資格の更新が同時期に発生するご家庭では、それぞれの申請窓口や必要書類が異なる場合もあり、手続きが煩雑になりやすい傾向があります。
また、企業において複数の外国人従業員を雇用している場合、従業員ごとに在留カードの更新時期が異なるため、社内での管理が行き届かず、知らないうちに在留期間が満了してしまうリスクも考えられます。
こうした事態を防ぐためには、在留カードの有効期間や更新時期を一覧化して管理する仕組みを整えるとともに、制度変更があった際には早めに専門家へ確認を取る体制を作っておくことが望ましいでしょう。
専門家への早期相談が手続きの遅延を防ぐ
行政書士は、在留資格に関する申請書類の作成や、出入国在留管理局への取次申請など、専門的な知識を活かした支援を行っています。
今回のような制度の過渡期には、通常の手続きとは異なる例外的な対応が必要になる場面も想定されるため、独力で進めるよりも早い段階で相談したほうが、結果的に時間と労力の節約につながるケースが多く見られます。
まとめ
令和8年6月14日の法改正施行により、在留カードおよび特別永住者証明書の様式が新しくなり、1歳以上16歳未満の方についても顔写真が表示されるようになります。
この変更は、約14年前に廃止された取り扱いが、マイナンバーカードとの整合性を図る目的で復活する形といえます。
あわせて、有効期間の基準が18歳に変更されたり、券面記載事項の一部がICチップへ移行したりと、在留カード制度全体が大きく見直されています。
お子様の在留カードを更新予定の方や、外国人の方を雇用している企業の担当者の方は、施行日前後の取り扱いに特に注意しておくとよいでしょう。
在留資格や在留カードに関する手続きでご不明な点があれば、行政書士にご相談いただくことで、最新の制度に沿った正確な対応が可能になります。
よくある質問
1歳未満の子どもの在留カードにも顔写真は必要になりますか
いいえ、1歳未満の方については、今回の改正後も顔写真の表示は不要とされています。対象となるのは1歳以上16歳未満の方です。
すでに持っている在留カードは新しい様式に交換しなければなりませんか
いいえ、現行様式で交付済みの在留カード等は、有効期間内であればそのまま継続して使用することができます。新規の交付や更新のタイミングで、自然と新様式に切り替わっていく形になります。
令和8年6月14日より前に申請すれば、顔写真の提出は不要ですか
申請の時期だけでは判断できません。申請をした時点では同日より前であっても、実際の交付が同日以降になると見込まれる場合には、顔写真の提出を求められることがあります。更新の予定がある方は、念のため顔写真を準備しておくことをおすすめします。
特定在留カードは必ず取得しなければなりませんか
いいえ、特定在留カードの取得は任意です。希望しない場合は、これまでの在留カードを有効期限まで継続して使用することができます。マイナンバーカードとの一体化によるメリットと、申請の手間などを比較したうえで判断するとよいでしょう。
永住者の在留カードの有効期間はどのように変わりますか
現行制度では、交付の日後7年(16歳未満の方は16歳の誕生日の前日まで)とされていますが、新様式では、交付の日後10回目の誕生日(18歳未満の方は5回目の誕生日)までに変更されます。これまでの16歳という基準が、18歳という基準に変わる点がポイントです。
企業が外国人従業員を雇用している場合、何か対応が必要ですか
新様式の在留カードでは、これまで券面に記載されていた在留期間や許可の種類などの情報が、ICチップへの記録に移行します。目視確認だけでは在留期間を把握できなくなるため、専用の読み取りアプリケーションなどを活用した確認方法へ切り替えていくことをおすすめします。また、従業員ごとに更新時期が異なる点を踏まえて、社内での管理体制を見直しておくと安心です。
在留資格や在留カードの更新手続きについて不安がある方、お子様の在留カードの取り扱いについて確認したい方は、お早めに行政書士事務所へご相談ください。制度の変わり目だからこそ、正確な情報に基づいた手続きが大切です。
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